元締・虎
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元締・虎(もとじめ・とら)は、『新・必殺仕置人』に登場する、裏稼業の組織・「寅の会」の元締で、仕置人。演者は、元・阪神タイガースの選手・藤村富美男。
劇中の描写から見るに、元は長い間裏街道を生き抜いてきた、凄腕の仕置人だったらしい。 また、普段は、子供好きなご隠居さんとして過ごしているようである。
養子兼用心棒の死神を引き連れ、江戸の裏社会に「寅の会」を結成して各仕置人グループをその傘下に置き、そこで元締として鉄の掟に基づいた恐怖政治を敷き、君臨する。
「寅の会」は、名目上は毎月、寅の日に開かれる俳句の詠み会ということになっているが、 参加するメンバーは皆、「寅の会」傘下の仕置人グループの代表であり、 ここで、虎の詠む俳句に織り込まれた仕置の的を、競売の形式で虎から提示された金額に基づき、 それぞれが希望する仕置料を提示した上で、その中で最安値を提示したグループがその仕置を落札する。 虎の提示した金額と、そのグループの提示した金額の差額が、虎の懐に入る訳である。
「寅の会」では、様々な掟があり、仕置の遂行はもちろん、期日までに遂行する事、 奉行所に目をつけられない事、虎を通さないで、仕置をしない事などの掟を破ると、 死神の得物の銛、若しくは虎の得物である、バット状の棍棒によって、 その仕置人のグループ全員が粛清される。
ただ、これは虎及び死神が他の仕置人を殺傷するのが、好きでやっている訳ではなく、 先にあげた掟に背く、殊に金次第でどうにでも転ぶいわゆる外道な仕置人の存在を許すことは出来ないがゆえの行動である。
虎は、「寅の会」傘下の仕置人グループの中では、特に念仏の鉄のグループ、 特に鉄本人に一目置いており、他のグループが遂行が困難であるといって、 誰も手を付けなかったがために落札されなかった仕置を、 鉄のグループに仕置料を上乗せして特に指名して依頼したり、 やむを得ぬ事情により、掟を犯した鉄に遂行困難な仕置を任せて、 ペナルティを帳消しにしたりしており、 さらに最終回では、引退する自分の代わりに、「寅の会」の元締を引き継ぐ様、依頼している。
番組終盤で、死神が掟を犯した上に自殺したことをきっかけに、 最終回で虎は裏稼業からの引退と「寅の会」の解散を表明するも、 その後釜をめぐる争いに巻き込まれ、自らの住まいで外道仕置人に襲撃される。
そして、駆け付けた鉄に外道仕置人の始末を依頼しつつ死亡した。
後に、大坂に同様に虎を名乗る、仕事人の元締が登場し、再び寅の会を開くが、 本項で扱った虎と同一人物であるかは、不明である。