内務班
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内務班(ないむはん)は、軍隊等の営内居住者等を以て組織された単位である。
[編集] 日本陸軍
大日本帝国陸軍の中隊等に平時において置かれた組織で、陸軍の最小単位であった。16人部屋2部屋を1班とする説もあるが、実際には人数は決まっておらず様々であった。班長は軍曹であり、軍曹の下に伍長が二人付いた。戦時にはこの一部屋を母体として小隊を構成した。
日本陸軍の歩兵連隊等においては平時編制では中隊の下の小隊や分隊は存在せず、戦時編制になった時に初めてそれらが編成される。また人数的にも平時では定数の半数程度の人員(職業軍人及び現役兵)のみで構成されている。内務班に所属するのは基本的に徴兵検査で選抜されて兵役を送る現役兵であり、動員がかかり戦時編制となった時点で召集令状(赤紙)によって招集された応召兵が配属されて初めて定数に達する。組織的にはこの時点で小隊と分隊が編成される事になる。小隊長は平時に中隊附となっていた中尉や少尉であり、分隊長は内務班のリーダーである軍曹である。
内務班の行動は、歩兵内務書(1872年、後に軍隊内務書(1888年)、軍隊内務令(1943年)と改められる)で決まっていた。最後の軍隊内務令では17章362条にわたって様々なことが事細かに規定されていた。
新兵の教育は、この内務班で行われた。この内務班で「しごき」と私的制裁が横行したことは良く知られている。
なお、陸上自衛隊では、同様のものを「営内班」と呼称している。
[編集] 航空自衛隊
航空自衛隊でも「航空自衛隊基地服務規則」(平成5年2月22日航空自衛隊達第6号)などに基き、内務班が組織されている。
部隊等の長又は基地司令等は、部隊等の団結の基礎を確立し、基地内生活の主眼の具現徹底を図るとともに、勤務時間外における人員の掌握を容易にするため、営舎内に居住する空曹及び空士(以下「営内者」という。)をもって、適宜内務班を編成し、内務班に班長を置く。内務班長は、営内者の指導に任ずる。