写真時代
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写真時代(しゃしんじだい)とは、写真雑誌の形態を採ったサブカルチャー雑誌である。白夜書房から出版され、1981年創刊。編集長は末井昭。当時ヒットしていた写真雑誌『写楽』のアンチテーゼとして、エロ・グロとサブカルチャーが混在する妙な雑誌に仕上がっている。
写真ページの中心は荒木経惟。荒木は一時少年向けカメラ雑誌の写真評論などを行っていたが、この雑誌で見事なまでに自由な表現方法を展開するアラーキーとして開花した。その他執筆陣に糸井重里、上野昂志、南伸坊、岡崎京子ら豪華なライターや漫画家を多数擁し、森山大道、倉田精二、北島敬三などの著名写真家も作品を掲載して話題になった。
荒木らの過激な表現により何度か警視庁からの注意があり、1988年4月号にて同誌が廃刊となった最終的な理由は警視庁からの回収命令(俗に言う「発禁処分」)を受けたことによるものである。また、同誌に連載されていた赤瀬川原平の『トマソン』が社会的ブームとなるなど、社会へ強い影響を与えている。