分詞構文
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
分詞構文(ぶんしこうぶん)とは、分詞が導く副詞句が、文全体を修飾し、結果として副詞節の代用をしたり、文を簡略化する構文のことをいう。従位接続詞の導く副詞節は主文の主節とともに複文を形成するが、分詞構文が用いられた文は、同じ意味を表現しても単文となる。主に主節の主語が同じである場合に用いられ、古風な用法であるとされる。たとえば英語圏では、学校などにおいて「分詞構文は主語や全体の意味の分かりづらい表現であり、可能であれば使うことを避けるべきである」といったように教えられる場合もある。
分詞構文は、下記の従位接続詞の代用をする(ただし、「付帯状況」の場合は、文章の簡略化と考えられる)。
- 時
- 例)the little girl began to cry,left to herself.
- →When the little girl was left to herself,she began to cry.
- 「その小さな女の子は、ひとりぼっちになると、泣き出した。」
- 原因・理由
- 例)Being a child, I couldn't understand what my mother said.
- →As I was a child, I couldn't understand what my mother said.
- 「私は子どもだったので、母の言ったことが分からなかった。」
- 条件・仮定
- 例)Born in two hundred years ago,he would have succeeded to the throne.
- →If he had been born in two hundred years ago,he would have succeeded to the throne.
- 「もし200年前に生まれていたら、彼は王位についていたであろう。」
- 譲歩
- 例)Wounded and tired,he continued to work.
- →Though he was wounded and tired,he continued to work.
- 「怪我をしている上に疲れていたが、彼は仕事を続けた。」
- 付帯状況
- 例) Looking for my key, I happened to find the book I had lost.
- →I was looking for my key and happened to find the book I had lost.
- 「鍵を探していたら、なくした本を偶然見つけた。」
- 独立分詞構文
- 慣用句的に用いられるものが多い。主節と意味上の主語が異なり不特定であったり無生物であったりする
- frankly speaking (=to be frank with you) 「率直に言えば」
- generally speaking (=to speak generally) 「一般的に言って」
- strictly speaking「厳密に言うと」
- night coming on「夜になったので」
- weather permittig「天候が許せば」