分詞
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分詞(ぶんし)は準動詞の一種であり、動詞が形容詞としての用法をあわせ持つものである。分詞には現在分詞と過去分詞、ラテン語や古典ギリシア語などには未来分詞がある。分詞は形容詞としての機能を持つのが普通だが、分詞構文では副詞としての機能を持つ。
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[編集] 現在分詞
英語では動詞の原形に-ingをつけ、動名詞と同形である。スペイン語では、-ar からは -ando; -er, -ir からは -iendo をつけて作る。存在動詞とともに進行形を表現したり、不完全他動詞の目的格補語になったりする。イタリア語では、-ante,-enteをつけて作る。主に名詞や形容詞を動詞から派生させる場合に用いている。
現在分詞を用いた例文
- 英語:I am reading a book.(私は本を読んでいます。)
- スペイン語:Estoy estudiando.(私は勉強しています。)
- イタリア語:Questa è una parola derivante dal latino. (これはラテン語に由来する言葉です。)
[編集] 過去分詞
主に受動態および完了形を作る。
英語では(規則動詞の場合)動詞の原形に-edを付けて作る。不完全他動詞の目的格補語になったりする。過去形と同形である。スペイン語では、ar からは -ado; -er, -ir からは -ido をつけて作る。
過去分詞を用いた例文
英語:Mouse is eaten by cat.(ねずみは猫に食べられる。)
[編集] エスペラントの分詞
エスペラントの分詞はまず能動と受動とに分けられる。能動分詞は3種類あり、それぞれの語尾は能動分詞進行形-ant、能動分詞完了形-int、能動分詞未然形-ontである。受動分詞も3種類あり、それぞれの語尾は受動分詞進行形-at、受動分詞完了形-it、受動分詞未然形-otである。
また、これらの分詞語尾に名詞語尾-oがつけば分詞名詞に、形容詞語尾-aがつけば分詞形容詞に、副詞-eがつければ分詞副詞となる。言語名のEsperanto(エスペラント)もesperi(希望する)という動詞不定形の能動分詞進行形esperantに名詞語尾-oをつけた分詞名詞である。
- Mi estas skribanta.(私は書いているところです。)
- Ludanta knabo estas sana.(遊んでいる少年は健康です。)
- La letero estas skribita de la reĝo(その手紙は王によって書かれています。)
- Manĝante, mi legis libron.(食べながら、私は本を読みました。)