利益団体
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利益団体 (りえきだんたい、利益集団、インタレストグループ) とは特定の集団の利益を図るべく活動する政治団体で、目的を実現するために政治に組織的に影響力を及ぼすが、政党と異なり政権をとろうとすることはない団体である。圧力団体 (あつりょくだんたい) ともいう。
具体的な活動形態として政治家や政党への献金(政治献金)、陳情、票集め、パブリック・コメントにおける政策提言や情報提供、各種メディアを通じた広告キャンペーンの展開などがある。
政治団体では表出しにくい利益が利益団体によって表出しやすいという特徴がある。
NPOやNGOは公益利益団体と呼ばれ負担を国民に強いる事なく全体の利益を目指すために、フリーライダー問題が起きやすい(フリーライダーとはただ乗りのことで、対価を負担することなく利用するだけの存在のことである)。
またロビー活動と呼ばれる政治の院外活動に関して、日本では、利益団体が議員を通して官僚へ働きかけることが多い。
アメリカで発達し、利益団体が政治に与える影響の強さを示すエピソードとしてしばしば挙げられるものに、銃の所持の問題がある。銃による犯罪や事故が相次ぐアメリカでは、犯罪銃規制を強化しようとする動きがあるが、全米(全国)ライフル協会は政治献金や広告キャンペーンを通じてこれに反対し、一般人による銃の所持を規制しないように働きかけている。同協会の活動がなければアメリカの銃事情は大きく違っていただろうとする見方も多い。