南海大浜支線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
大浜支線(おおはましせん)は、大阪府堺市の宿院駅から同市の大浜海岸駅までを結んでいた南海電気鉄道(正式廃止時)の軌道路線。
南海合併前の阪堺電気軌道が、1903年開催の第5回内国勧業博覧会の会場の一つとして建てられた堺水族館があった大浜公園へのアクセス路線として1912年に開業したのが大浜支線である。翌年、阪堺電気軌道はさらに乗客を誘致するため、大浜公園内に海水を沸かした大浴場「大浜潮湯」を開設した。大浜公園には大浜潮湯・堺水族館のほか、少女演劇が行われていた大浜公会堂などがあり、行楽地として賑わっていた。
しかし、太平洋戦争が始まり、1944年に大浜潮湯や堺水族館は閉鎖され、翌1945年2月には一部区間が不要不急線として休止された。同年7月10日の堺大空襲で南海本線堺駅や、付近で南海本線を跨いでいた大浜支線が被害を受け運休となり、1949年に正式に休止、その後運行が再開されることなく1980年に廃止された。
目次 |
[編集] 路線データ
[編集] 歴史
- 1912年4月1日 阪堺電気軌道により宿院~水族館前(のちの大浜北町)が開業。
- 1912年8月26日 水族館前~大浜海岸間が開業。
- 1915年6月21日 阪堺電気軌道が南海鉄道に合併。
- 1944年6月1日 関西急行鉄道と南海鉄道が合併、近畿日本鉄道が成立。同社天王寺営業局の所属となる。
- 1945年2月11日 大浜北町~大浜海岸間が休止。
- 1945年7月10日 堺大空襲で被害を受け運休となる。
- 1947年6月1日 旧・南海鉄道の路線が南海電気鉄道に分離譲渡。同社大阪軌道線の一路線となる。
- 1949年3月3日 宿院~大浜北町間が正式に休止。
- 1980年11月28日 休止以来、運行が再開されることもなく廃止。
大浜支線廃止と同日、平野線も廃止され、3日後の12月1日に、南海の大阪軌道線(阪堺線・上町線)は分社化され阪堺電気軌道となった。
[編集] 駅一覧
宿院駅 - 川尻駅 - 龍神駅 - 水族館前駅 - 大浜公園駅 - 大浜海岸駅
(1940年頃のもの)
[編集] 接続路線
事業者名は1940年頃のもの
龍神~水族館前間で阪堺電鉄(阪堺電気軌道とは全く別、のちの大阪市電三宝線)と交差していたが、直接乗り換え可能な電停は設けられていなかった模様。
カテゴリ: 近畿地方の鉄道路線 | 南海電気鉄道 | 廃線 | かつて存在した路面電車路線