台北
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台北(タイペイ、たいほく)は台湾北部にある都市。
古代の台北は湖で、一千万年にも及ぶ土砂の堆積で盆地(台北盆地)になった。300年程前の台北は、一面に広がった湿地と、草木が広がる窪地に過ぎず、平埔族が周囲の高地に居住し、丸木舟を漕いで行き来しているだけであった。後に、漢民族の漁師や商人がやってきたが、開墾に来る人はおらず、淡水河の近くで漁業や濃耕生活に従事するだけであった。
1709年になり、中国大陸福建省の移民者が開墾を申請し、現在の台北市の中心地区に入懇した後、移民者が増えた。1875年、清朝は台北に台北府を設置を決定した。
1895年に日本が台湾を統治した後、行政機関を引き続き設置し、台北の建設と経営を持続した。台北は百年間の間に広々とした田園から迅速に一躍、台湾の政治経済、文化の中心になった。
1949年、国共合戦で国民党が中国共産党に敗れた為、中華民国(国民党政府)の機能を台湾に移すと同時に、首都を南京から台北に遷都した。その後も台北は着実に発展し、1998年にはアジアで住みやすい都市第五位に選出されたり、2005年には世界一高いビル「台北101」がオープンするなど、アジアを代表する大都会にまで変化した。
NHKのニュース番組では「たいほく」と日本語読みしているが、これは日本統治時代の古い呼称である。現在、観光業界や空港など公的な場ではタイペイで統一されている。(なお、広辞苑にもタイホクの方に載っている。)