右四間飛車

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右四間飛車（みぎしけんびしゃ）は、将棋の居飛車戦法の一種である。先手ならば飛車を4筋に、後手ならば飛車を6筋に振る。飛車を初期位置から動かすものの、通常、振り飛車には含めず、居飛車に分類する。腰掛け銀と併用されることが多い。主に相手の四間飛車への対抗手段か、相居飛車の矢倉囲いに対して用いる戦法である。

対振り飛車の戦法としては最古のもので、大橋宗桂対本因坊算砂戦(1607年）の現存最古の棋譜が、そのまま右四間飛車第一号局である。（この対戦は右四間飛車の大橋勝ち）

攻めが単調になりやすいこともあって公式戦にはあまり出てこないが、藤井猛対谷川浩司の第１１期竜王戦で後手の谷川が用いたのが知られている。この戦いは藤井が巧妙な差し回しで谷川を破った。なおその後、日本将棋連盟の将棋専門誌『将棋世界』で右四間飛車戦法は振り飛車に有効かどうかについて、藤井・谷川を含むトッププロ６名が分析する企画が行われたが、６名中５名が「有効ではない」と解答した。唯一「有効である」と解答したのは森内俊之ただ一人であった。

対局例が少ないため、プロ棋士・アマチュア共に深部まで研究していないのが現状であるが、プロ棋士の中川大輔・アマ強豪の鈴木英春は右四間飛車戦法の使い手として知られている。特にアマチュアで四間飛車を用いる指し手は対策を立てていない場合がほとんどで、この戦法の餌食になることがしばしばある。四間飛車や矢倉を用いる場合には、この戦法への対策も立てておくほうがよい。

四間飛車への対抗手段は、藤井システムの登場以降ある程度限定されてきているが、この戦法はまだ研究の及ばない最後の未開拓地であるといえる。