吉原七不思議
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吉原七不思議(よしわらななふしぎ)は、東京都台東区に江戸時代から存続している遊郭街吉原を舞台にした駄洒落。不思議と言っても怪談である本所七不思議などとは違って、こちらはユーモアや冗談を中心にした駄洒落である。七不思議と言っても7つ以上のエピソードが存在する。
[編集] 七不思議
- 大門(おおもん)あれど玄関なし
- 大門とは吉原歓楽街の入口にあった楼門「吉原大門」のことで、建物の門ではないから玄関はないというもの(吉原大門は明治時代の火災で失われたが、今も土手通りの交差点およびバスの停留所の名として残っている)
- 茶屋あれど茶は売らず
- 茶屋とは引き手茶屋、すなわち遊女や遊郭の紹介所のことである。従って茶の店ではない。
- 角(すみ)町あれど中にある
- 吉原角町とは当時の町名で、吉原街の中ほどにあった。従って端にあるわけではないという駄洒落。
- 揚屋あれど揚げはなし
- 吉原揚屋町という当時の町名。揚げものを売っている店ではないという駄洒落。
- やり手といえど取るばかり
- やり手とは遊女の管理や営業を行う「やり手ババア」のこと。「やる」とは言っても金を取るだけという皮肉。
- 年寄りでも若い衆
- 遊郭に勤める男性の従業員は歳に関係なく「若い衆」と呼ばれていたことをからかったもの。
- 河岸(かし)あれど魚なし
- 「河岸」とは低価格で遊べる場末の遊郭の俗称(ドブや下水などの側にあったため、皮肉って河岸と呼ばれた)。従って魚河岸市場などではないから、当然に魚も売っていない。
- 水道あれど水はなし
- 当時の吉原の突き当たりや町はずれを水道尻という俗称で呼んでいたただけで、別に水道(水路)が通っていたわけではないことの駄洒落。