同期電動機
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同期電動機(どうきでんどうき)は、シンクロナスモーター (SM) とも呼ばれ、同期速度で回転する電動機である。
回転子が界磁の、回転界磁形が一般的に用いられる。
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[編集] 特徴
[編集] 位相角
位相角とは、界磁からの電機子電流の回転の位相差のことである。
同期電動機のトルクは、位相角が大きくなるほど大きくなり、90度の時、理論的な最大トルクとなる。また、回転界磁に同期して回転しているため、出力はトルクに比例する。
負荷のトルクが大きくなりすぎると、同期外れのため停止する。この時のトルクを脱出トルクといい、負荷角にして50~70度の範囲にある。
[編集] 電機子反作用
電機子電流の供給電圧との位相差(界磁との回転の位相差)によって磁束を乱す作用である。
交差磁化作用(横軸反作用)
- 力率が1の時、回転方向側の磁束を弱め、その逆側の磁束を強める作用である。
磁化作用(直軸反作用)
- 力率が遅れのとき、磁束を強める方向で作用する。←進みのとき
減磁作用(直軸反作用)
- 力率が進みのとき、磁束を弱める方向で作用する。←遅れのとき
[編集] 同期電動機の分類
- 永久磁石同期電動機 (Permanent Magnet Synchronous Motor) - 回転子(界磁)に永久磁石を使用したものである。
- ステッピングモーター(歩進電動機)- パルス電力に同期して1ステップずつ動作するものである。
- ヒステリシス同期電動機 - 円筒状の軟磁性体を回転子としたものである。
- 電磁石同期電動機 - 回転子(界磁)に電磁石を使用したものである。
- 三相同期電動機 - 三相交流を入力とするものである。