唐物
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唐物(からもの)とは、中世から近世にかけて尊ばれた中国製品の雅称である。狭義には宋、元、明時代の美術作品を指す場合もある。なおこの場合の「唐」は広く中国のことを指し、唐時代に作られたという意味ではない。時として産地が不明な舶来品も、唐物とされる場合がある。
室町時代には、書院における室礼の形式化にともなって権威化した。足利将軍家では、同朋衆である能阿弥、芸阿弥、相阿弥の親子が唐物目利として優品の選定を行った。彼ら三阿弥が3代にわたって編纂した『君台観左右帳記』は、こうした室礼における唐物の価値体系を伝えている。
- 絵画作品としては、特に宋時代の絵画が尊ばれている。また徽宗や馬遠、李迪といった画院画家の他にも、逸品とされる牧谿のような画僧の作品が日本では好まれた点が重要である。
- 茶道具においては、茶入や天目、青磁の花生などに代表される。