啖呵売
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啖呵売(たんかばい)とは、ごくあたりまえの品物を、巧みな話術で客を楽しませ、いい気分にさせて売りさばく商売手法である。
昔の縁日や路上販売などで、よく行われていた。一種の芸としても評価されており、「バナナの叩き売り」などは有名な例である。
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[編集] 啖呵の一例
- やけのやんぱち日焼けの茄子、色が黒くて食いつきたいが、あたしゃ入れ歯で歯が立たない
- 角は一流デパート赤木屋、黒木屋、白木屋さんで紅白粉(べにおしろい)つけたお姉ちゃんから下さい頂戴で頂きますと 五千円や六千円は下らない品物だが今日はそれだけ下さいとは申しません!
- 浅野匠頭じゃないが腹切ったつもりだ!ね!どう? こんないいものが2000円!はい、ダメか! 1500円だ1500円!誰も持ってかない? よーし!1000円!!今日は貧乏人の行列だ!よーし!500円だ!持ってけ泥棒!
- 物の始まりが一ならば国の始まりが大和の国、島の始まりが淡路島、 泥棒の始まりが石川の五右衛門なら、助平の始まりがこのオジサン
- 産で死んだが三島のお仙、お仙ばかりが女ごじゃないよ。京都は極楽寺坂の門前でかの有名な小野小町が、三日三晩飲まず食わずに野たれ死んだのが三十三。とかく三という数字はあやが悪い。三三六歩(さんさんろっぽ)で引け目が無い
- 四谷赤坂麹町(よつや あかさか こうじまち)チャラチャラ流れる御茶ノ水、粋な姐ちゃん立ちションベン。白く咲いたか百合の花、四角四面は豆腐屋の娘、色は白いが水臭い。一度変われば二度変わる三度変われば四度変わる、淀の川瀬の水車(みずぐるま)、誰を待つやらくるくると。ゴホンゴホンと波さんが、磯の浜辺でねぇあなた、あたしゃあなたの妻じゃもの、妻は妻でも『阪妻(ばんつま)よ』ときやがった
- 天に軌道がある如く、人それぞれに運命を持って生まれ合わせております。とかく子(ネ)の干支の方は終わり晩年が色情的関係において良くない。丙午(ヒノエウマ)の女は家に不幸をもたらす。未(ヒツジ)の女は角にも立たすなというが、そこの若いお方、あなたの生まれ年は?
- この度、麒麟堂という大きなおもちゃ問屋が、なんと驚くまいか僅か160万円の税金で、投げ出した品物です、本来ならこんなお安いお値段でお願いできるもんじゃないが、こっちにも差し迫った事情があります!
- たいしたもんだよ蛙のションベン、見上げたもんだよ屋根屋のふんどし
- 結構毛だらけ猫灰だらけ、お尻の周りは糞だらけ
- 鶴は千年、亀は万年、隣の婆さん後一年
- 男は度胸で女は愛嬌、坊主はお経で、学生は勉強、庭で鶯ホーホケキョウ
- 張っちゃいけねえ親父のアタマ、張らなきゃ食えねえ提灯屋
- 亭主の浮気にカカアはカッカ、お猿のオケツは、マッカッカ
- 女房慣らすにゃ天秤棒でどやせ、デチ棒で慣らせばつけ上がる
[編集] 関連項目
[編集] 映画
[編集] 演芸
- 落語
- 蟇の油(がまのあぶら)
[編集] 関連地域
- 門司港(バナナの叩き売り発祥の地)
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