喀血
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
喀血(かっけつ)とは、気管や呼吸器系統から出血し、口から血を出す事。特に量が多い場合は呼吸困難に陥るが、少量でも精神的にダメージを与え得る症状である。
[編集] 概要
この症状は、呼吸器の重篤な感染症(結核など)や腐食性気体(毒ガスなど)の吸引、または肺や気管に損傷を受けている場合、腫瘍などの組織異常が発生している場合にも見られる。血の色は鮮やかな赤である。
消化器官等からの出血を指す吐血と混同されがちだが、喀血の場合は咳と一緒に血液が出る物で、呼吸器の疾患や損傷によるものである。胃潰瘍などによる出血の吐血の場合は、患者が痛みを訴える部位が違う他、胃液等が混じって、独特の臭気(酸味臭)があるといった特徴が見られる。(胃潰瘍・吐血の項を参照)
痰などに混じって固まった血が排出されてくる場合もあるが、これは通常、喀血とは呼ばず血痰という。血痰の原因は喀血と同じ物である場合と、鼻血が鼻腔内から喉に落ちて排出されてくる場合があるが、いずれにせよ専門医の診察が勧められる。
[編集] 対処
喀血の場合、血液が気管に溜まったままになると呼吸に支障が出るため、積極的に排出させるのが通例ではあるが、これは患者自身に多大な精神的ダメージを与えるため、まず気分を落ち着けさせる必要が在るとされる。この時、酒・煙草・コーヒー等の刺激物は避けるべきである。
喀血させる場合は、上半身を起こした状態にさせるため、背もたれを作った寝具に横たえて体を楽にさせ、上半身を起こせない人の場合は、横向きに寝かせて血を吐かせる。この時、寝具などを血で汚さないようにするため、ビニール袋に吐かせると後始末が便利である。
喀血が治まったら、寝かせて安静にさせるが、血が口内に残って不快感を与えるため、予め食塩水などでうがいさせると良い。
なお感染症に因る場合は、二次感染を防ぐため、吐いた物は医療廃棄物扱いで、焼却処分とする。
安静中、患者に食欲がある場合は、食事は温めにした物をゆっくり与える。この時も刺激物は避けるべきである。
[編集] 関連項目
カテゴリ: 医学関連のスタブ項目 | 症候