園頭広周
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
園頭広周(そのがしら ひろちか 1918年2月20日 - 1999年2月20日)は、日本の宗教家。宗教法人GLA西日本本部長を経て、新宗教・GLA系諸教団の一つ国際正法協会の創始者。鹿児島県生まれ。
目次 |
[編集] 経歴
陸軍大尉で終戦を迎え、その後本格的に宗教家としての人生を歩んでいく。プロテスタント系キリスト教会で洗礼も受けているが、すぐに疑問を感じで離れている。その後、新宗教生長の家に入会し、昭和27年に生長の家地方講師、昭和30年に同団体本部講師を務め、昭和47年に同団体を脱退、昭和48年3月に宗教法人GLA教祖の高橋信次氏に出会い、GLA西日本本部長という要職に就く。高橋信次からの信任も非常に厚かったようで、自身も「信次先生の高弟」と称している。その後、昭和51年に高橋氏が死去し、二代目教祖として就任した高橋佳子の考えに反発し、昭和53年に同団体を脱退。高橋信次の教えを正しく受け継ぐとして、国際正法協会を創設する。同時に正法出版社を設立、社長に就任する。
創価学会や池田大作、幸福の科学や大川隆法に対する批判でも知られている。 平成11年2月20日に3年にも及ぶ闘病生活の末、死去。現在、園頭が創設した国際正法協会は解散し、氏の著作群も全て絶版になっている。
[編集] 思想について
[編集] 概要
著書『現代の釈尊高橋信次師とともに』にみられるように、主として、師であった高橋信次の弟子としての視点からの評伝を、数多く世に問うた。その一方で、教義上の問題点から、大川隆法と宗教法人幸福の科学、池田大作と宗教法人創価学会等を批判した。また、信次の予言どおり、アメリカの「アガシャ教会」と交流し(これはアガシャ教会側においても、アガシャの霊が予言していたとされた)、高橋信次によれば、9次元宇宙界の指導霊であるとされたアガシャによる予言を書物として問うた(『二十一世紀まで生き延びれるか―アガシア、高橋信次先生の予言』)。さらに、翻訳もつとめた(『アガシャの講義録〈1〉』ほか)。また、『「天台小止観」の解説』等、仏教関連の著作も著した。
[編集] 信次の説との同異点
高橋信次がベーシック(基礎)を、それをもとに自身(広周)がアドバンス(応用)を説く、とし、信次の説を応用することにつとめた。つまり、園頭広周の説は、大筋において、信次の説と軌を一にしているといえる。 ただし、信次の在世当時の説との相違点が、部分的に見られることも、また確かである。すなわち
- 信次の説による、魂の1本体5分身説[1]に対する「六人全て男という人は女としての修行を全て終えた人、六人全て女という人は男としての修行を全て終えた人」とする説。
- 『古事記』、『日本書紀』等を引用した男女の役割、女性、結婚、家族のあり方に関する理論(広周は、家庭内での母親の役割を説き、母性を重視している)。
- また、心身の相互作用の理論について、以前所属していた生長の家の影響が見られる(信次もそれについて説いたが、広周と必ずしも一致しているわけではない。つまり、信次は、病気等の肉体の不調和の原因として、純粋な肉体疲労、憑依、各自の心的傾向、守護霊等のメッセージのいずれかを挙げたが、広周においては3番目の心的傾向がより強調される傾向がある点に生長の家との共通項が見られる。これは、信次の説くところと必ずしも一致しない)。
これらについては、信次が説いたという事実はないため、教義上の観点からすると、これらが、信次の説である「神理(自然の法則)」に合致するとは、必ずしもいえない場合がある。この点につき、信次の著作と、広周の著作、あるいは、広周の弟子筋等による関連資料等、相互に参照する場合においては、誤読の回避のため、どれが、誰による説であるか、吟味しつつ参照されねばならないといえる。
[編集] 著書
[編集] 単著
- 『現代の釈尊高橋信次師とともに』(正法会出版部)1984年01月、ISBN-10: 4915582019(改訂新版:(正法出版社)1993/10、ISBN-10: 4915582280)
- 『現代の釈尊高橋信次師とともに (2)』(正法会出版部)1984年01月、ISBN-10: 4915582027
- 『現代の釈尊高橋信次師とともに (3)』(正法会出版部)1985年04月、ISBN-10: 4915582035(改訂新版:(正法出版社)1991年04月、ISBN-10: 4915582221)
- 『現代の釈尊高橋信次師とともに (5)』(正法出版社)1996年05月、ISBN-10: 4915582558
- 『現代の釈尊高橋信次師とともに (10)』(正法出版社)1988年02月、ISBN-10: 4915582116
- 『現代の釈尊高橋信次師とともに (11)』(正法出版社)1988年08月、ISBN-10: 4915582124
- 『仏陀をめぐる女性たち―女の不朽の生き方を求める』(正法出版社)1986年01月、ISBN-10: 491558206X
- 『正法と結婚の原理』(正法会出版部)1986年05月、ISBN-10: 4915582043
- 『宇宙即我に至る道〈上〉いかにして「宇宙即我」を体験したか』(正法出版社)1987年01月、ISBN-10: 4915582078
- 『宇宙即我に至る道〈下〉坐禅の作法の原点『天台小止観』の解説』(正法出版社)1987年01月、ISBN-10: 4915582086
- 『二十一世紀の宗教―生命科学と生命哲学』(正法出版社)1988年04月、ISBN-10: 4915582108
- 『園頭広周書簡集―高橋信次師の記録--宗教指導者の条件』(正法出版社)1989年01月、ISBN-10: 4915582159
- 『園頭広周書簡集―高橋信次師の記録--宗教指導者の条件 (下)』(正法出版社)1996年05月、ISBN-10: 4915582167
- 『舎利子が語る真説般若心経講義』(正法出版社)1986年01月、ISBN-10: 4915582051
- 『二十一世紀まで生き延びれるか―アガシア、高橋信次先生の予言』(正法出版社)1988年09、ISBN-10: 4915582132
- 『高橋信次師のことば』(正法出版社)1989年10月、ISBN-10: 4915582175
- 『「大川隆法」はこう読め―正法からみた「幸福の科学」』(正法出版社)1991年10月、ISBN-10: 4915582248
- 『「大川隆法」はこう読め (続)』(正法出版社)1991年11月、ISBN-10: 4915582256
- 『大川隆法は仏陀ではない―幸福瞑想への警告』(正法出版社)1991年12月、ISBN-10: 4915582264
- 『高橋信次師こそ真の仏陀であった』(東明社)1991年12、ISBN-10: 4809500470
- 『人生の目的と使命―高橋信次先生随聞記』(正法出版社)1993年04月、ISBN-10: 4915582345
- 『女性読本―真の女性への目覚め (2)』(正法出版社)1993年04月、ISBN-10: 4915582329
- 『正法入門―高橋信次師講演集』(正法出版社)1994年08月、ISBN-10: 4915582418
- 『正法と経営―人間主義経営学』(正法出版社)1995年06月、ISBN-10: 4915582469
- 『高橋信次師のことば』(正法出版社)1995年10月、ISBN-10: 491558237X
- 『高橋信次先生講演・著作解説集〈1〉』(正法出版社)1996年02月、ISBN-10: 4915582094
[編集] 共著
- 『母を憶う』(正法出版社)前田久吉(著)、園頭広周(著)1988年、ISBN-10: 4915582140
- 『正法と高橋信次師 (1)』(正法出版社)園頭広周(編集)、花田成鑑(編集)1994年06月、ISBN-10: 4915582388
- 『正法と高橋信次師 (2)』(正法出版社)園頭広周(編集)、花田成鑑(編集)1994年12月、ISBN-10: 4915582426
- 『正法と高橋信次師 (3)』(正法出版社)園頭広周(編集)、花田成鑑(編集)1995年05月、ISBN-10: 4915582450
[編集] 編著
- 『正法入門―高橋信次師講演集』(正法出版社)1990年06月、ISBN-10: 4915582191(改訂新版:(正法出版社)1994年07月、ISBN-10: 491558240X)
[編集] 翻訳
- 『大いなる創造のために―前進にそなえて 詩集私的日記』(アガシヤ・ブックス)ゲーリー・サルバット(著)、1991年01月、ISBN-10: 4915582205(改訂新版:(正法出版社)1991年02月、ISBN-10: 4915582213)
- 『アガシャの講義録〈1〉』(正法出版社)1996年01月、ウィリアム・アイゼン(著)、園頭広周(翻訳)ISBN-10: 4915582531
[編集] 註
- ^ 信次によれば、人の魂は1人の本体と5人の分身からなるとされ、その組成には
- 1.男本体1、男分身5
- 2.女本体1、女分身5
- 3-1.男本体1、男分身2、女分身3
- 3-2.女本体1、女分身2、男分身3