夏侯氏
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夏侯氏(かこうし)は中国における氏のひとつ。著名な一族に前漢の汝陰侯夏侯嬰に始まる夏侯氏がおり、夏侯氏より曹氏に養子入りした曹嵩の子、曹操が後漢の官吏として台頭、やがて大将軍、相国と上り詰めて勢力を拡大する中で、夏侯氏の一族である夏侯惇、夏侯淵がその配下として活躍した。曹操が献帝より魏王の称号を授けられ、曹丕の代に献帝の禅譲を受けて曹氏による魏が後漢の後継王朝となるに伴い、夏侯氏は曹操の血縁として曹氏に継ぐ地位を与えられ、夏侯一族は安寧亭侯、昌陵亭侯などの封ぜられた。魏は後に司馬氏の簒奪に遭い、一族で階級が高かった夏侯覇が敵対する蜀へ亡命するなど滅亡の憂き目を見たが、夏侯惇の孫で、一説では夏侯楙の庶子ともいわれる夏侯佐が晋より高安郷侯に封ぜられた。夏侯佐には実子がなかったが、夏侯充の孫で夏侯廙の子である夏侯劭を夏侯佐の嗣子とすることを許されて家系を存続させた。