夕立
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夕立(ゆうだち)は、夏の午後から夕方にかけてよくあらわれる天気。 夏の風物詩の一つ。
[編集] 経過
高温でも比較的空気が乾いた「カンカン照り」の日には起きにくい。湿度が高く蒸し暑い「油照り」の日の午後によく発生する。短時間で雲が出てきて大粒の雨が降るのが特徴。雷を伴う事が多く、雹(ひょう)が降る事もある。雨は強いが継続時間は短く、せいぜい2~3時間であり、範囲も狭く数キロメートル四方程度であるため、水害が起こる事はほとんど無い(都市部では道路の冠水や小規模河川の氾濫が起こる事がある)。ただ、落雷による被害が起こる場合がある。又、稀に突風(特にダウンバースト)や竜巻を伴う事もある。
夕立が終わった後は雲も消えて晴れ間が広がり、雨により気温も下がるため過ごしやすくなる。但し、暑気が抜けきらないと非常に蒸し暑くなる事もある。虹が発生する事も多い。
内陸部の栃木県、群馬県は夕立による雷の発生が多い事で有名である。
台湾の夏季には台湾語「サイパッホー(sāi-bak-hō)」(普通は西北雨と表記、正しいのは夕暴雨)と呼ばれる猛烈な夕立が多い。
[編集] 原因
夕立発生は通常、午前中からの日射により地表面の空気が暖められて上昇気流を生じ、水蒸気の凝結によって積乱雲を形成して降雨をもたらすという過程を取る。前線、特に寒冷前線通過に際しても突発的な強雨、強風、雷など夕立に似た現象があるが、この場合は季節や時間を選ばず広範囲に起こるので、夕立とは区別される。
[編集] 関連項目
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