夕鶴
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『夕鶴』(ゆうづる)は、木下順二作の戯曲。各地に伝わる民話の一つである『鶴の恩返し』を題材としている。
初演は1949年、木下が主催した劇団『ぶどうの会』が主演山本安英で上演。
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[編集] 登場人物
- 与ひょう(よひょう)
- つう
- 運ず(うんず)
- 惣ど(そうど)
- その他端役だが村の子供たち数名も登場する。
[編集] 物語
与ひょうは、ある日罠にかかって苦しんでいた一羽の鶴を助けた。
後日、与ひょうの家を「女房にしてくれ」と一人の女性つうが訪ねてくる。夫婦として暮らし始めたある日、つうは「織っている間は部屋を覗かないでほしい」と約束をして、素敵な織物を与ひょうに作って見せる。
つうが織った布は、「鶴の千羽織」と呼ばれ、知り合いの運ずを介し高値で売られ、与ひょうにもお金が入ってくる。その噂を聞きつけた惣どが運ずと共に与ひょうをけしかけ、つうに何枚も布を織らせる。
約束を破り惣どと運ず、更には与ひょうは、織っている姿を見てしまう。そこにあったのは、自らの羽を抜いては生地に織り込んでいく、文字通り"我が身を削って"織物をしている与ひょうが助けた鶴の姿だった。正体を見られたつうは、与ひょうの元を去り、傷ついた姿で空に帰っていくのだった。
[編集] その他
- 作者・木下は、この作品を山本安英に演じさせる為に書いたとされる。山本は1949年の初演以来、1986年まで37年間、公演数1037回主役・つうを演じた。木下は山本存命中は、プロへの上演許可を出さなかったといわれている。