多紀安琢
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多紀 安琢（たき あんたく、文政7年（1824年） - 明治9年（1876年）1月4日）は、江戸時代末期の幕府医官。名は元琰、号は雲従、通称は安琢。和宮の主治医。
江戸時代後期、医学館総裁を務めた多紀氏の分家（矢の倉多紀氏）第二代。父は考証派の巨頭、楽春院法印（多紀安叔）。安政4年（1857年）父の死により家督を相続、奥医師となり、同年12月16日法眼に叙せられる。文久元年（1861年）12月16日、本家の多紀安常とともに法印に進み、養春院と称す（同日、蘭方の伊東玄朴も法印になっている）。一時、病により侍医の列を離れていたが、元治元年（1864年）6月3日、寄合医師より奥医師に再任、和宮の主治医を勤める。将軍徳川家茂が大坂城で病んだので、慶応2年（1866年）7月16日、大膳亮弘玄院、遠田澄庵、高島祐庵、浅田宗伯らとともに大坂へ急派された。
相撲を好んだことは、村上もとかの『JIN-仁-』にも描写されている。上野戦争の翌日、駕籠で通行していたところ薩摩藩士に誰何されたが「当時朝敵徳川慶喜家来多紀養春院」と署して通ったという山岡鉄舟ばりの挿話が伝えられている。
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