大分国際車いすマラソン
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大分国際車いすマラソン(おおいたこくさいくるまいすまらそん)は、大分県大分市で開催されている、車いすランナーだけの国際マラソン大会である。フルマラソンとハーフマラソンが行われる。両方とも大分県庁前をスタート地点とし、大分市営陸上競技場をゴール地点とする。
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[編集] 概要と歴史
パラリンピックの創始者ルードウィッヒ・グットマンに直接教えを受けた中村裕の尽力により、1981年の国際障害者年を記念して、世界で初めての「車いすだけのマラソンの国際大会」としてスタートした。
当初、別府大分毎日マラソンの健常者と共に走ることを日本体育協会と大分陸上競技協会に要望したが、許可が得られず実現しなかった。しかし、車いすマラソンを別個に開催するのなら協力するという約束をとりつけた。大会の準備段階では、42.195kmを完走できるかどうかが疑問視され、まずハーフマラソンから初めては、ということで、1981年11月1日、14ヶ国から117名が参加し、記念すべき第1回大会が開催された。1983年の第3回大会からフルマラソンが加わった。
第1回大会当初は4輪のものしかなく、通常の生活用車いすで出場した選手も多かったが、現在では3輪タイプが主流となり、材質もアルミ、チタン等で軽量化され、軽いものでは6kg台である。また、ホイールベース(前輪と後輪の間の距離)も長くなってきている。1983年の第3回大会のマラソン優勝記録2時間7分54秒と、1999年の19回大会の大会最高記録1時間20分14秒とのタイム差は47分40秒あるが、この記録の短縮は車いすの改良によるところも大きいと考えられる。
[編集] クラス分け
肘屈筋、肘伸筋、手首の背屈筋及び掌屈筋などの機能により、男女とも「T51」「T52」「T53/T54」の3クラスに分けられ、それぞれのクラスで順位を競う。詳しくは大会概要を参照。
[編集] 大会記録
[編集] マラソン男子
- T51 ハインリッヒ・クーベール(ドイツ) 2:32:44 (1996年)
- T52 伊藤智也(日本) 1:52:36 (2006年)
- T53/T54 ハインツ・フライ(スイス) 1:20:14 (1999年)
[編集] マラソン女子
- T51 ※記録なし 完走者なし
- T52 リサ・フランクス(カナダ) 2:10:27 (2004年)
- T53/T54 土田和歌子(日本) 1:38:32 (2001年)
[編集] ハーフマラソン男子
- T51 三浦尊(日本) 1:04:09 (1999年)
- T52 上与那原寛和(日本) 0:53:59 (2006年)
- T53/T54 渡辺習輔(日本) 0:44:37 (2003年)
[編集] ハーフマラソン女子
- T51 ※記録なし 完走者なし
- T52 ジェニー・エリザベット・ルンドブラッド(スウェーデン) 0:58:03 (2002年)
- T53/T54 土田和歌子(日本) 0:49:36 (2000年)