大分市
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大分市(おおいたし)は、日本の九州地方の東部、大分県の中部に位置する市で、同県の県庁所在地である。古くは豊後国の国府が置かれ、府内(ふない)と呼ばれた。中核市に指定されている。
目次 |
[編集] 地理
大分市は、大分県のほぼ中央部に位置する、東九州の中核都市である。
大分川及び大野川が形成した三角州及び沖積平野からなる大分平野と、その周りの丘陵とを抱え、瀬戸内海の別府湾に面する。市の東部には南から大野川が、西部には西から大分川が流れ、瀬戸内海に注いでいる。中心市街は、大分川の河口部西側にある。別府市との境界付近に位置しニホンザルが生息する高崎山地区、及び、豊予海峡に浮かぶ高島地区は、瀬戸内海国立公園に指定されている。
近年、市域を東西に貫通する形で大分自動車道、東九州自動車道が開通し、国道10号、国道210号等と接続している。
郊外はショッピングモールや巨大住宅地などの開発により、人口の増加が著しい。
[編集] 気候
瀬戸内海式気候に属し、年間を通じて温暖、少雨である。平均気温は16.0度、降水量1677.8mm(平年値)。旧・野津原町の地域は障子岳、御座ヶ岳等の600mから800m級の山々が連なり、内陸部への入り口に当たるため、気温が若干低くなる。
[編集] 隣接する自治体
[編集] 歴史
[編集] 古代
古代には、大分川下流沿い、現在の市の中心部からやや南に外れた位置(現在の古国府)に、豊後国の国府が置かれたと推測されている。
[編集] 中世
中世に豊後国守護だった大友氏の大友氏秦は、拠城をわずかにずらして大分川河口付近に館を構えた。これが現在の大分市に連なる城下町のはじまりで、町の名を府内といった。現在の大分市街地中心部に残る「府内町」という地名と「府内5番街」という商店街はこの名残である。
戦国時代の府内は、大友宗麟の支配下で、南蛮文化を受容し栄えた。なお、大分駅付近の連続立体交差事業および区画整理事業に伴い、大友氏館跡をはじめとする戦国期府内の遺跡が発掘されており、2002年(平成13年)には大友氏館跡が国指定史跡とされた。
[編集] 近世
大友義統が改易された後、府内を領地とした福原直高は府内城の築城を開始した。その半ばにして福原氏は関ヶ原の戦いの後改易されたが、その後府内を領地とした竹中重利が築城を続行し、府内城の完成を見ている。
江戸時代には、大分市の中心部は府内藩の城下町であった。1712年(正徳2年)の調査による人口は5,591人であった。
[編集] 近現代
明治になって、府内には大分県の県庁が置かれ、1889年(明治22年)の町村制施行により大分町となった。市制施行は1911年。 1920年(大正9年) の人口は、4万3,150人であった。
戦後の高度経済成長期の1964年(昭和39年)1月、新産業都市に指定。工業都市として急速に開発が進み「新産都の優等生」と呼ばれた。
また、1997年(平成9年)4月1日には、中核市に指定されている。
[編集] 市町村合併
明治の大合併と呼ばれる市町村合併が進む中、1907年(明治40年)に3町村を編入、以後合併を幾度か行っている(詳しくは下記参照)。特に、1963年(昭和38年)には、大分市と鶴崎市ほか4町村の合併が行われ、市域が拡大した。
平成の大合併では、2004年(平成16年)4月1日に大分市と北海部郡佐賀関町および大分郡野津原町の間で法定合併協議会が設置され、同年7月23日合併協定が調印されて、2005年(平成17年)1月1日、佐賀関町及び野津原町が大分市に編入された。本項目で「旧大分市」と言う場合には、佐賀関町、野津原町の編入以前(2004年12月末日以前)の大分市を指す。
[編集] 行政
[編集] 市長
- 釘宮磐(くぎみや・ばん)
[編集] 行政区域の変遷
- 1889年(明治22年)4月1日 町村制施行により、以下に示す各町村が発足。
- 1907年(明治40年)4月1日
- 大分町が西大分町・荏隈村・豊府村を編入。
- 河原内村を竹中村に編入。
- 西稙田村を稙田村に編入。
- 諏訪村を野津原村に編入。
- 1907年(明治40年)6月1日 西大在村と東大在村が対等合併し、大在村となる。
- 1907年(明治40年)7月1日
- 佐賀村と市村が対等合併し、佐賀市村となる。
- 大志生木村と神馬木村が対等合併し、神崎村となる。
- 大分町が西大分町・荏隈村・豊府村を編入。
- 1911年(明治44年)4月1日 大分町が市制施行し大分市となる。
- 1939年(昭和14年)8月15日 八幡村・滝尾村・東大分村を編入。
- 1943年(昭和18年)11月11日 日岡村を編入。
- 1944年(昭和19年)2月11日 桃園村を鶴崎町に編入。
- 1950年(昭和25年)1月1日 川添村・今市村の所属郡を大分郡に変更。
- 1954年(昭和29年)3月31日
- 鶴崎町・松岡村・高田村・明治村・川添村が対等合併し市制施行。鶴崎市が発足。
- 戸次町・判田村・竹中村・吉野村が対等合併し、大南町が発足。
- 1955年(昭和30年)1月1日
- 一尺屋村・神崎村を佐賀関町へ編入。
- 東稙田村の一部・賀来村の一部を大分市へ編入。
- 1955年(昭和30年)2月1日 稙田村・東稙田村・賀来村が対等合併し、大分村が発足。
- 1955年(昭和30年)3月31日 今市村を野津原村に編入。
- 1957年(昭和32年)4月1日 大分村が町制施行。大分町(2代目)となる。ただし町制施行の際、一部地域は挾間町へ分離。
- 1959年(昭和34年)2月1日 野津原村が町制施行。野津原町となる。
- 1963年(昭和38年)3月10日 大分市・鶴崎市・大分町・大南町・大在村・坂ノ市町が対等合併し、新市制による大分市が発足。
- 2005年(平成17年)1月1日 北海部郡佐賀関町・大分郡野津原町を編入。
[編集] 経済
[編集] 産業
1964年(昭和39年)に新産業都市の指定を受けたことで工業都市へと発展した。近年では、集積回路等の加工組立産業が進出するとともに、物流団地の整備、地域輸入促進計画のもと、物流の拠点としても成長を続けている。
近年、郊外への大型ショッピングモールの出店に伴い、中心市街地では相次いで大型小売店舗が撤退し、活性化が求められている。シネマコンプレックスも郊外に2つ作られ、市の中心部にあった映画街は衰退している。
[編集] 主な産業
(旧大分市の市域においての産業別事業所数上位5位まで。カッコ内は構成比。2001年調査より。)
- 卸売・小売業・飲食店 9,139 (43.0%)
- サービス業 6,825 (32.1%)
- 建設業 2,248 (19.5%)
- 製造業 883 (4.2%)
- 不動産業 803 (3.8%)
[編集] 産業人口
(大分市※の市域における産業別就業者数上位5位まで。単位、人。カッコ内は構成比。2000年国勢調査報告より。)
- サービス業 64,264 (29.8%)
- 卸売・小売業・飲食店 53,951 (25.0%)
- 建設業 28,600 (13.3%)
- 製造業 26,602 (12.3%)
- 運輸・通信業 13,591 (6.3%)
※旧大分市、旧佐賀関町、旧野津原町のデータの合計。
[編集] 農林漁業
主要農産物生産量(2004年(平成16年)。旧大分市。単位、トン(t)。「大分市の統計」より。)
- 水稲 7,040
- にら 1,545
- みつば 1,243
- 温州みかん 920
- ごぼう 753
畜産物生産数(2004年(平成16年)。旧大分市。単位、トン(t)。「大分市の統計」より。)
- 牛乳 13,958
- 肉豚 265
- 鶏卵 1,224
[編集] 工業
1964年(昭和39年)に新産業都市の指定を受け、鉄鋼、化学、石油等基礎素材産業が進出したことによりし、大分・鶴崎工業地帯を中核に工業都市へと発展した。近年では、集積回路等の加工組立産業が進出するとともに、物流団地の整備、地域輸入促進計画のもと大分港大在コンテナターミナルが設置され、物流の拠点としても成長を続けている。
[編集] 市内にある主要企業
[編集] 製造業
- 旭化成ケミカルズ(大分工場)
- 旭化成メディカル(大分製造所)
- 朝日ソーラー(本社)
- 大分キヤノン(大分事業所)
- 九州石油(大分製油所)
- 九州乳業(本社)
- 昭和電工(大分事業所)
- 新日本製鐵(大分製鐵所) - 第2高炉は世界最大。
- 住友化学(大分工場 : 農薬、薬品)
- 東芝(大分工場) - IC工場。Emotion Engine(プレイステーション2のCPU)を製造していたことで有名。
- 日鉱金属(佐賀関製錬所 : 非鉄金属)- 東洋一とも言われる大煙突がある。
- 三井造船(大分事業所 : 建設用金属製品、一般機械器具)
- 大分三井造船(橋梁、各種クレーン)
[編集] 卸売・小売業・飲食店・サービス
[編集] 電気
- 九州電力(大分発電所、新大分発電所)
[編集] 情報通信業
- エフエム大分
- 大分ケーブルテレコム
- 大分ケーブルネットワーク
- 大分合同新聞
- 大分朝日放送
- 大分放送
- コアラ(大分本社:インターネット接続事業等)
- テレビ大分
- 富士通大分ソフトウェアラボラトリ(富士通のグループ会社)
[編集] 金融
- オーシー
[編集] 姉妹都市・提携都市
- 姉妹都市
- 友好都市
- 交流促進都市
[編集] 地域
[編集] 教育
学校名等は基本的に五十音順で記載している。
[編集] 小学校
- 国立
- 大分大学教育福祉科学部附属小学校
- 公立
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[編集] 中学校
- 国立
- 大分大学教育福祉科学部附属中学校
- 公立
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- 私立
- 岩田中学校
- 大分中学校
- 向陽中学校
[編集] 高校
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[編集] 高等専門学校
[編集] 短期大学
- 公立
- 私立
[編集] 大学
[編集] その他の学校
- 国立
- 公立
- 大分県立大分養護学校
- 大分県立新生養護学校
- 大分県立盲学校
- 大分県立聾学校
[編集] 文化施設
- OASISひろば21
- アートプラザ(旧大分県立中央図書館の建物を、市が新たに活用。)
- 大分市美術館
- 大分県立図書館
- 大分市民図書館
- 大分文化会館
- 大分県立芸術会館
- コンパルホール
- 平和市民能楽堂
[編集] スポーツ関連施設
[編集] 歴史施設
- 大分市歴史資料館
- 亀塚古墳公園海部古墳資料館
[編集] 研修施設
- のつはる少年自然の家
- うすき少年自然の家(大分市の施設であるが、臼杵市に所在)
- 霊山青年の家(2006年3月閉館)
[編集] 交通
[編集] 空港
- 空港特急バス大分交通「エアライナー」
- 大分ホーバーフェリー(所要時間は20分)
[編集] 鉄道路線
なお、1900年~1972年には路面電車の豊州電気鉄道→大分交通別大線が、別府市との間を結んで運行を行っていた。
[編集] 路線バス
[編集] 航路
- ダイヤモンドフェリー : 大分港
- 関西汽船 : 大分港
- 国道九四フェリー : 佐賀関港
- 大分ホーバーフェリー : ホーバーのりば
[編集] 道路
[編集] 高速道路・有料道路
[編集] 一般国道
[編集] 県道
- 主要地方道
- 大分県道21号大分臼杵線
- 大分県道22号大在大分港線(40m道路・臨海産業道路)
- 大分県道25号臼杵上戸次線
- 大分県道26号三重野津原線
- 大分県道38号坂ノ市中戸次線
- 大分県道41号大分大野線
- 一般県道
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(stub)
[編集] 名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
[編集] 主な史跡・旧跡等
[編集] 観光
[編集] 祭り
- 大分七夕まつり
- 府内戦紙
- 大分七夕まつりの催しの一つ。中央通り - 昭和通りで開催。(開催期間は毎年8月の第1金曜日、19時30分から21時30分の2時間。)
[編集] スポーツ
[編集] スポーツチーム
[編集] スポーツ関連の大会・試合
- 毎年開催されるもの
- Jリーグ大分トリニータ公式戦
- Fリーグバサジィ大分公式戦(2007年~)
- 別府大分毎日マラソン
- 大分国際車いすマラソン大会
- 過去に開催されたことがあるもの
- 第21回国民体育大会(1966年)
- キリンチャレンジカップ(2001年)
- 2002 FIFAワールドカップ(2002年)
- Jリーグオールスターサッカー(2005年)
- 開催予定のもの
- チャレンジ!おおいた国体(2008年開催予定)
[編集] 大分市出身の有名人
[編集] 大分市を舞台とした作品
[編集] その他
- 市外局番 097(市内全域)
[編集] 外部リンク
北海道: | 札幌市 |
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東北: | 青森市 | 盛岡市 | 仙台市 | 秋田市 | 山形市 | 福島市 |
関東: | 水戸市 | 宇都宮市 | 前橋市 | さいたま市 | 千葉市 | 東京特別区(新宿区) | 横浜市 |
甲信越: | 甲府市 | 長野市 | 新潟市 |
北陸: | 富山市 | 金沢市 | 福井市 |
東海: | 岐阜市 | 静岡市 | 名古屋市 | 津市 |
関西: | 大津市 | 京都市 | 大阪市 | 神戸市 | 奈良市 | 和歌山市 |
中国: | 鳥取市 | 松江市 | 岡山市 | 広島市 | 山口市 |
四国: | 徳島市 | 高松市 | 松山市 | 高知市 |
九州/沖縄: | 福岡市 | 佐賀市 | 長崎市 | 熊本市 | 大分市 | 宮崎市 | 鹿児島市 | 那覇市 |