大陸棚
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大陸棚(たいりくだな)とは、大陸の周縁に分布するきわめて緩傾斜の海底で、傾斜の変換点をその外縁とする平らな棚状の地形をいう。
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[編集] 地形学上の大陸棚
大陸棚には様々な定義が存在するが、国際測地学・地球物理学連合(IUGG)主催の委員会で採択された,Wiseman and Ovey(1953)による定義“低潮線に始まり、深海に向かって著しい傾斜の増大が生ずる深さまでの大陸を取り巻く海底地域”が、海底地形学上しばしば引用されている。その世界における平均水深はほぼ130mであるが、南極海では約400mに達する。また大陸棚の幅は平均78kmとされるが、北極海のように400kmを超えるところもある。
大陸棚は、海面が現在よりも100m以上も低かったと言われる氷河期に、陸上の海岸平野だったところであると考えられ、海底の石油資源のかなりの割合が集中していると推測されている。
[編集] 法的大陸棚
1958年、第一次国連海洋法会議で、「ジュネーブ海洋法四条約」(※)が採択された。このうち、「大陸棚に関する条約」で大陸棚を「200mまたは天然資源の開発可能な水深まで。」と定義し、沿岸国は「海底とその地下の天然資源の探査・開発について主権的権利」を持つとされた。
しかしながら、技術の進展に伴い「開発可能な水深」では基準として相応しくなくなったことや、領海などその他の海の権利に関しては各国がそれぞれ独自の権利を主張していたことから、1982年、第三次国連海洋法会議にて、海の憲法と言われる「海洋法に関する国際連合条約」を採択、1994年に発効した。
これにより、沿岸国の管轄権が及ぶ範囲の一つとして大陸棚が定義され、沿岸国は基本的に200海里までの海底及び海底下を大陸棚とすることができるほか、海底の地形・地質が一定条件を満たせば、200海里の外側に大陸棚の限界を設定することが可能であるとされている。
- (※)「ジュネーブ海洋法四条約」
- 「領海及び接続水域に関する条約」(1964年発効)、「公海に関する条約」(1962年発効)、「漁業及び公海の資源の保存に関する条約」(1964年発効)、「大陸棚に関する条約」(1966年発効)