天下無双 江田島平八伝
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『天下無双 江田島平八伝』(てんかむそう えだしまへいはちでん)は、オースーパージャンプに掲載されている宮下あきらの漫画作品。『魁!!男塾』の江田島平八を主人公とし、その少年時代からを描いている。
目次 |
[編集] あらすじ
片田舎で育った暴れん坊の小僧、江田島平八は母の死と天下無双の言葉を胸に東京へ向かう。しかし東京では様々な陰謀と時代の流れ(作中では帝大合格から間もなく第二次世界大戦が始まる)に巻き込まれながらも己の才と一本気な性格で切り抜ける。実在した人物はでてくるがいずれもフィクションである。
[編集] 登場人物
[編集] 主要登場人物
- 江田島平八(えだじまへいはち)
- 軍神と謳われた 江田島國義を父に持ち、その名は日露戦争の英雄東郷平八郎にちなんだとされる。『魁!!男塾』における塾長の若かりし日の姿。わずか11歳で東京帝国大学に合格、寺崎将人の下で様々な書物を読み古今東西の知識を頭に納め、生来の肉体の剛健さと親友 王大人の下で学んだ中国拳法を武器とする神童。その交友関係は敵味方問わず広い。
- 森田幸子(もりたさちこ)
- 平八の幼馴染みの少女で、ヒロイン的存在。平八とは相思相愛だが、伊佐と無理矢理結婚させられそうになってしまう。恐らくは平八の最初で最後の妻となったであろう人物。
- 伊佐武光(いさたけみつ)
- 伊佐財閥の跡取り息子。平八を倒す為にその財力・権力・人脈を駆使して平八を苦しめる。
- 後の藤堂兵衛。
- 廣庵(こうあん)
- 平八の地元に隠棲する僧。仏門に入る前は廣瀬宗敬(ひろせむねたか)という名前で、東郷平八郎元帥の参謀。そして江田島海軍兵学校別科の別科長。
- 寺崎隼人(てらさきはやと)
- 科学者でありながら、剣道7段であり、軍の研究所にいないといって、少々「変人」として知られている。平八に一本を取られ、また、東京に来た平八の髪の毛を脱毛させ、再び生やす嘘の方法として、一つの部屋にある全ての学問書を期限内に全て読ませるということを教え、無理やり勉強させた。(その結果、平八は東京帝国大学に首席入学を果たす)
- 王(ワン)
- 東京帝国大学留学生。のちの王大人。
- ヒトラーユーゲント団長
- 神拳寺の秘奥義で操られた平八に小便をかけられる。しかし平八が切腹で水に流そうとして(行動に移したのだが儀式用模造刀のため失敗)平八を認める。ヒトラーの隠し子、という設定。
- 張
- 神拳寺師範代で王の師匠。
- 富樫源造(とがしげんぞう)
- 海軍一等飛行兵。アメリカ軍のテリトリーの島に零戦ごと不時着。平八に助けられた後は新兵器開発のメンバーとなる。男塾塾生、富樫源次(とがしげんじ)の父親。
- キング・バトラー
- ボクシングヘビー級チャンピオン。平八と戦うが敗北。男塾留学生キング・バトラーJr.こと「J」の父親。
- 大豪院鐘鬼(だいごういんしょうき)
- 江田島海軍兵学校別科総筆頭。男塾塾生、”男塾の帝王”大豪院邪鬼の父親である。〔大豪院煌鬼(だいごういんこうき)の祖父で武術の師匠でもあるが、ただしこれは『曉!!男塾』のエピソード〕。
- 鬼ハゲ
- 江田島海軍兵学校別科の教官。男塾教官、鬼ヒゲとの関係は不明。
- マイケル・ヘンドリックス
- アメリカ海軍所属。潜水艦「モビーディック」で平八らの潜水艦「天下無双号」に対抗するがあえなく撃沈。
- レオン・ヘンドリックス
- アメリカ海軍中佐でエースパイロット。マイケル・ヘンドリックスの兄で、この2人はすごく仲が良い。
[編集] 実在した人物
「/」以降はこの話の設定。
- 山本五十六
- 日本連合艦隊司令長官。/平八の父、江田島國義の同期。江田島海軍兵学校別科のメンバーで機動力に優れた兵団を作ろうとした。
- 愛新覚羅溥儀
- 満州国皇帝。/なぜか警察に捕まり、平八に鉄格子を曲げてもらい脱走。どうも逮捕時には身元不明とされた模様。
- リヒャルト・ゾルゲ
- ソ連赤軍スパイ。/ドイツ大使私設顧問で寺崎隼人の知り合い。
- 近衛文麿
- 五摂家筆頭の出。/江田島親子とも嫌っている。伊佐財閥総帥・伊佐容堂の知り合い。
- 毛沢東
- 中国共産党のリーダー。/拳法の達人で、わけありで平八に日本まで連行される。
[編集] 魁!!男塾との関連
主人公が『魁!!男塾』の登場人物である江田島平八ということからも分かるように、この作品は『魁!!男塾』との関わりを抜きにしては語れない。上記にあるように、『魁!!男塾』の登場人物と同じか関連の深い人物が多数登場するのが特徴である。中でも『魁!!男塾』の登場人物の父親という設定の人物が多い。
しかし、年代と年齢を考えると辻褄の合わない者が多い。魁の年代は昭和60年代であり、平八の年齢は50代後半から60。高校生くらいの塾生たちの父親は多くは40代が一般的で、平八よりも若いくらいの世代にあたる。しかしこの作品に登場する父親達は平八よりもむしろ年上と見られる者が多く、それでは『魁!!男塾』の登場人物は皆これらの晩年の子供という事になってしまう。 とりわけ矛盾に満ちているのがJの父親キング・バトラーで、そもそも魁時代にすでにJの回想シーンで登場しているが、その顔立ちはJとはまるで異なり、Jが少年時代もまだ現役選手であった。最終的に157戦157KO勝ちという成績を残している。しかしこの作品では名前こそ同じものの、顔はJとそっくり、戦時中のあの時代にすでに154戦154KO勝ちという成績を残している。ということは、この後彼はたったの3戦しかしていないにも関わらず、相当高齢まで続けていたことになる。
このようなことから、この作品は完全なるパラレルワールドと見る向きもあるが、「宮下だから」で済ませ、その荒唐無稽さを楽しんでいる向きも多い。