天領
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天領(てんりょう)とは江戸幕府の直轄領のことを指す通称。
元々、明治初期に旧幕府直轄領が天皇の御料(直轄領)になったときに天領と呼ばれるようになったため、さかのぼって幕府時代のものも天領と呼ぶようになったもので、江戸時代に使われていた用語ではない。
幕府領、幕領ということも多いがこの場合は旗本領の知行所も含めた言い方でもある。江戸時代には御領、御料所などと呼ばれた。
豊臣政権時代の徳川氏の蔵入地を基とし、関ヶ原の戦い、大坂の役などでの没収地を加えて、17世紀末には約400万石となった。その年貢収入は幕府の財政基盤となり、大坂、長崎など重要な都市や佐渡金山などの鉱山も天領とされた。甲斐、飛騨は一国まるごと天領となった[1]。
郡代や代官、遠国奉行が支配した。また預かり地として大名に支配を委託したものもあった。
[編集] 対語
大名領、旗本領、公家領、寺社領など