失敗学
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失敗学(しっぱいがく)とは、起こってしまった失敗に対し、責任追及のみに終始せず、(物理的・個人的な)直接原因と(背景的・組織的な)根幹原因を究明する。その上で、その失敗に学び、同じ愚を繰り返さないようにするにはどうすればいいかを考える。さらにこうして得られた知識を社会に広め、他でも似たような失敗を起こさないように考える活動。すなわち、以下3点が失敗学の核となる。
- 原因究明 (CA: Cause Analysis)
- 失敗防止 (FP: Failure Prevention)
- 知識配布 (KD: Knowledge Distribution)
提唱者は『失敗学のすすめ(2005年4月、講談社)』の著者、畑村洋太郎。失敗学の命名は立花隆。畑村洋太郎を会長に特定非営利活動法人 失敗学会が2002年に設立された。
失敗の種類は、大きく3つに分けられる。
- 織り込み済みの失敗。ある程度の損害やデメリットは承知の上での失敗。
- 結果としての失敗。果敢なトライアルの結果としての失敗。
- 回避可能であった失敗。ヒューマンエラーでの失敗。
1と2の失敗は、「失敗は成功の元」となり得る失敗である。また、この2つの失敗については、状況・結果などがある程度予測できたり、経験からくる的確な判断で対処することができる。
3の失敗は、失敗から更なる悪循環が生まれる失敗である。予想しておけば回避可能であったにも関わらず予想をしていなかったためにパニックに陥り、ますます、状況を悪くしてしまう。
[編集] 参考文献
- 畑村洋太郎 『失敗学のすすめ』 講談社、2005年。ISBN 978-4-06-274759-2
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