妖怪 (小説)
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『妖怪』(ようかい)は、司馬遼太郎の長編小説。1967年7月から翌年4月まで「読売新聞」に連載。1969年5月講談社刊。
司馬作品最後の幻術小説。応仁の乱前後の時代を背景とし、妖怪というものが実際に存在すると信じられた荒れた室町後期の人々の混乱を描く。
[編集] あらすじ
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
室町幕府6代将軍・足利義教の落胤と自称する、熊野に住む源四郎は将軍になろうと決意し、京に向かう。
時の都は八代将軍義政の正室日野富子と、側室今参局(お今)が熾烈な勢力争いをしていた。お今は義政を幼いころから知っており、寵愛を受けていたが、歳がかさみ現在は富子が優勢である。源四郎は二人の争いに巻き込まれていく。
富子は指阿弥陀仏、お今は唐天子という幻術師を従わせていた。源四郎は唐天子の幻術に惑わされ、印地の大将になったり、剣術修行をしたりする。
富子は義政の子を流産すると、これを逆に利用し、お今が呪い殺したという噂を流して濡れ衣を着せ殺させてしまう。しかし、皮肉なことにその後富子は子を産み(後の義尚)、後継者に指名した義視と対立。そして、応仁の乱という何とも不思議な争いが始まる。