孔雀船
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『孔雀船』(くじゃくぶね)は、伊良子清白の詩集。1906年に佐久良書房から刊行された。
自らの作品百数十編の中から18編を厳選したもの。日本語文語定型叙情、叙事詩の極北で、その完成度は非常に高い。所収作品は「不開の間」を除けばいずれも「文庫」発表の作品である。
出版当時は殆ど顧みられることはなかったが、西条八十、日夏耿之介、北原白秋らの高い評価により、1929年に再版された(梓書房刊)。この評価を決定づけたのは、1938年の岩波文庫への収録である。
[編集] 特長
一に、その格調のこの上ない高さ、二に、詩句の彫たくの深さ、三に響きのよさ、四に、その構成の確かさを挙げることが出来るであろう。 すなわちこの詩集に於いて伊良子の、古典主義と浪漫主義とが最上の形で幸福な結婚を遂げたと言い得る。
[編集] 所収作品一覧
いづれも珠玉の作品であるが、その中でも「漂白」「安乗の稚児」が傑作である。
- 漂白
- 淡路にて
- 秋和の里
- 旅行く人に
- 島
- 海の声
- 夏日孔雀賦
- 花売
- 月光日光
- 華燭賦
- 五月野
- 花柑子
- 不開の間
- 安乗の稚児
- 鬼の語
- 戯れに
- 初陣
- 駿馬問答