安定分布
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安定分布(あんていぶんぷ、stable distribution) は、正規分布やコーシー分布を含むより広い概念であり、安定分布に従う確率変数の和は適当な一次変換によって元の分布になる。正規分布やコーシー分布は安定分布の特別な場合である。安定パレート分布 (stable pareto distribution)、レヴィ分布 (Lévy distribution) とも呼ばれる。
分布の特性関数 ψ(z) は、4つのパラメータ α, β, γ, δ によって以下のように表すことができる。
ただし、0 < α ≤ 2, -1 ≤ β ≤ 1, γ > 0 である。α は特性指数と呼ばれ、0 < α ≤ 2 の範囲の値をとる安定分布を特徴づける最も重要な量である。安定分布の指数という場合は通常この α のことを指す。α は分布の裾の厚みの尺度であり、小さいほど裾が広い。歪度指数、あるいは非対称パラメータとも呼ばれる β は分布の対称性を支配し -1 ≤ β ≤ 1 の値をとり、β = 0 のときは左右対称な分布となる。位置母数 δ は分布全体を平行移動するパラメータである。規模母数 γ は X の縮尺を変更するパラメータである。
α = 2, β = 0 の場合、
- ψ(z) = exp(iδz − γz2)
[編集] 参考文献
- Alder, R. J., R. E. Feldman and M. S. Taqqu eds. (1998年) A Practical Guide to Heavy Tails: Statistical Techniques and Applications
[編集] 関連項目
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