家政夫パタリロ!
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『家政夫パタリロ!』(かせいふぱたりろ!)は『別冊花とゆめ』など、白泉社から刊行されている雑誌の中でも『花とゆめ』本誌以外に連載されている『パタリロ!』の外伝として、隔月刊誌『シルキー』の平成14年(2002年)12月号から平成16年(2004年)8月号まで連載された作品。
[編集] あらすじ
呉服商を営んでいた父がバブル経済期に不動産に手を出して失敗し、100億円と言う莫大な借金を残して他界してしまい、それを返済する事(相続放棄をしなかった理由は不明)になった息子の越後屋波多利郎(えちごやぱたりろう)。10歳では働く場所も見つからず途方に暮れていると、知り合いだったアラファト家政婦派出協会の会長が同情して使ってもらえる事になった。アラファト家政婦派出協会の会長はいい人で波多利郎に偽の身分証明書まで用意してくれた。波多利郎が派遣される先々で引き起こすまたは巻き込まれるドタバタギャグマンガ。
[編集] 登場人物
第一話
- ばあや…派遣先に最初からいた使用人。かなり長い間仕えてきたと思われる。家政夫としての能力をテストする、と言う名目で波多利郎に料理・掃除・お客様の取次ぎ・電話の応対・庭の草むしり・犬の散歩・買出し・帳簿付け・爆発物の除去作業の仕事を与えた。波多利郎を信管処理がうまいと褒めた。
- 奥様…製薬会社の社長夫人。製薬会社社長の夫は経営の腕を見込まれて婿養子に迎えられたことから、先代社長の一人娘だと思われる。隣の家のやきもちで首でも吊ろうかと言うぐらいの極めつけのやきもち焼き。
- だんな様…製薬会社社長で婿養子。常に愛人が2・3人いるという猛者だが、愛人にプレゼントを買う時に使ったクレジットカードの明細書が自宅に届けられて大いに慌てるなど、意外とだらしない。
- マユミ…だんな様からのお礼の気持ち(金)を巻き上げるために波多利郎が家に呼んだだんな様の愛人。新宿に住んでいるか働いているらしい。
- アケミ…同上。品川在住/勤務。
- トモミ…同上。麻布在住/勤務。
第二話
- だんな様…嫁と姑の問題で頭を悩ます大企業の社長。娘が一人いる。
- 大奥様…だんな様の母親。孫娘(だんな様の娘)の名前を、考えた奥様に断り無く独断で珠子に変えた。
- 奥様…だんな様の妻。上記の理由で大奥様を毛嫌いし、一緒に食事を取る事さえ拒否している。
- 珠子お嬢様…だんな様と奥様の娘で、本来なら珠代と名付けられるはずだった。
- おヨネ…最初からいた家政婦。大奥様と奥様の仲が悪い事は知っていたが、詳しい事情までは知らなかった。
- 金大人…上海経済特区を牛耳る金財閥の総帥。波多利郎が男のお孫様と珠子との縁談話を持ち掛けた時もいいアイデアだ、と相槌を打った。
第三話
- だんな様…苗字は伊武ヶ崎。下の名前は不明。奥様とは学生結婚をした。入社一年目で社宅の6階に入れたのはラッキーだと感じたが、上司の奥様方からの嫌がらせとも言える小言に悩まされている。実は伊武ヶ崎財団の御曹司で、修行のため伊武ヶ崎現当主であるおじい様と親友である古若工業の会長の下で働いている。
- 奥様…だんな様の妻。分別が出来ていないからとゴミを路上に広げさせられた上素手で分別させられた上に見落としがあるたびに怒鳴り込まれる、気分を落ち着かせるためにクラシックを聞いていたところ3階に住む伊矢見課長の奥様から電話でうるさいと怒鳴られる、と散々な目にあったためノイローゼで寝込んだ。
- 高飛車部長の奥様…伊矢見課長の奥様と小判鮫課長の奥様を従えて伊武ヶ崎夫婦に嫌がらせをする。家では夫である高飛車部長を顎で使い家事の一切をやらせている。風水の研究をしていてインテリアの変更を伊武ヶ崎夫婦に強制した。
- 伊矢見課長の奥様…高飛車部長の奥様のいい子分だったが、だんな様が伊武ヶ崎財団の御曹司だと知ると掌を返したように波多利郎の策略に加担した。
- 小判鮫課長の奥様…同上。
- おクマさん…波多利郎と同じ協会に所属している家政夫(婦)。たまたま警察病院に派遣されていて、暴力団同士の抗争があったことから死体に不自由しなかったため波多利郎の計略に加担した。
第四話
- 永吉小百合…グランハイツロイヤル世田谷一番館の603に住んでいる普通のOL。3年間付き合って結婚の約束までした恋人に酷い振られ方をしたため買い物依存症に陥った。最初はクレジットカードで買い物をしていたがすぐに限度額一杯になり、次に銀行の個人向けローンでお金を借りてそのうちクレジットカードの返済期限が来てそれを返すためにサラリーマン金融で借りて銀行の分の返済のために今度は街の金融業者から借り、借金地獄に落ちた。熾烈な取り立てのための電話を恐れ、電話番のために波多利郎を呼んだ。
- 大田黒先生…家政婦(夫)派遣協会専属の弁護士。
- お父さん…永吉小百合の借金を完済するために親戚やお友達に頭を下げて一千万を工面した、今にも潰れそうな中小企業のサラリーマン。
[編集] 単行本
- 『家政夫パタリロ!』(白泉社、2004年) ISBN 4592188195