寮美千子
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寮 美千子(りょう みちこ、1955年 - )は、日本の童話作家・絵本作家・小説家・詩人。幼年童話から絵本、ジュブナイル小説、純文学まで手がけ、題材も先住民関連から宇宙天文関連まで幅広い。祖父は大正末期から昭和初期に活躍した科学ライター、寮佐吉。
[編集] 略歴
- 県立千葉高校卒。中央大学文学部中退後に外務省、広告制作会社勤務、フリーランスのコピーライターを経て、1986年、毎日童話新人賞を受賞、童話作家としてデビュー。
- 1987年10月12日放送、TBSテレビ『クイズ100人に聞きました』に「寮チーム」で出演。
- 1991年~1997年、衛星放送ラジオ局「セント・ギガ」に600篇以上の詩を提供(ブレーンの一人であった沢木耕太郎の推薦により起用された。また、それまでオープニングとして準備されていたカート・ヴォネガット作品が寮美千子作品と差し替えになった)。
- 1992年、アジアン・カルチュラル・カウンシルの助成を受けアメリカ訪問、NASA及び先住民居留地を取材。同年、野辺山宇宙電波観測所十周年記念絵本『ほしがうたっている』(絵・高橋常政、思索社)を制作。
- 1996年(第2回)より小学館おひさま大賞審査員。
- 1997年~1998年、科学技術庁「宇宙開発委員会」専門委員。
- 2001年~2004年度、和光大学非常勤講師。
- 2003年、国際天文学連合により小惑星8304が「Ryomichico」と命名登録された。
- 2004年、兵庫県立西はりま天文台の2メートル望遠鏡「なゆた」完成記念絵本『遠くをみたい 星の贈りもの』(画・東逸子、パロル舎)を制作。
- 2005年、財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構の助成を受けて制作した絵本『イオマンテ めぐるいのちの贈り物』(画・小林敏也、パロル舎)が小学館児童出版文化賞の候補作に選出。
大人を主人公とした最初の小説『楽園の鳥 カルカッタ幻想曲』(講談社)が第33回泉鏡花文学賞を受賞した(『楽園の鳥』は、講談社の名物編集者宇山日出臣が現役最後に作った本)。 - 上記以外の作品に、子どもを主人公とした小説『小惑星美術館』『ラジオスターレストラン』『ノスタルギガンテス』『星兎』、先住民文化関連絵本『父は空 母は大地 インディアンからの手紙』『おおかみのこがはしってきて』(以上パロル舎)、ノンフィクション『マザー・テレサへの旅 ボランティアってだれのため?』(学研)など。
また、幼稚園・保育園向けの月刊絵本誌で数多くの作品を発表し続けている。それらの中から絵本『おおきくなったらなんになる?』『たいちゃんのたいこ』(いずれも鈴木出版)などが単行本化されている。アジア各国で翻訳出版された作品も多い。 - 1999年以降、ミュージシャンと組んで自作のリーディング・ライブを行っている。これまでに豊住芳三郎、藤川義昭、明石隼汰、本多信介、翠川敬基、押尾コータロー、西陽子、坂田明らとコラボレーション。
- 池袋・旧サンシャインプラネタリウムの番組に詩を提供したのを皮切りに、プラネタリウム番組に作品を提供している。2002年から2003年にかけ山梨県立科学館で投影されたプラネタリウム番組『ラジオスターレストランへようこそ』では、電波天文学が明らかにした宇宙の物質循環のメカニズムを骨格とした冒険ファンタジー小説『ラジオスターレストラン』をもとにオリジナル脚本を執筆。番組制作にも深く関わった。同番組は2004年から2005年にかけて愛媛県総合科学博物館でも投影された。
2003年、渋谷・旧五島プラネタリウムでのメガスターII公演「Slow Life Gallery」で『父は空 母は大地』が使用された。2004年、川崎市青少年科学館に設置されたメガスターIIのために『メガスター誕生物語』および『遠くをみたい』を制作。 - 2003年より、作曲家の高橋喜治が、寮美千子の作品をもとに合唱曲を制作している。演奏時間30分におよぶ大作『父は空 母は大地』は2003年に初演。2004年には、今後完成予定の組曲の一部として『インディアン・フォレスト』『朝露』『Merry Christmas』が初演された。
- 2006年度、奈良県ストップ温暖化県民会議委員。
[編集] 外部リンク
- 寮美千子 HARMONIA(2000年~)公式サイト
- NASA Orbit Simulation "Asteroid 8304 Ryomichico (1995 DJ1)" 寮美千子の名前がつけられた小惑星
[編集] 参考文献
- 寮美千子詩・東逸子画 『遠くをみたい ―星の贈りもの』 パロル舎、2004年。
- 寮美千子 『楽園の鳥 ―カルカッタ幻想曲』 講談社、2004年。
- 寮美千子 『寮美千子 HARMONIA』。
- 鳥海直美 『寮美千子が廃墟に撒いた水晶を探す』。
- さうすウェーブ 「環境・ひと 寮美千子さん」。
- はてな 「はてなダイアリー‐寮美千子とは」。
- 松永洋介 「『楽園の鳥』メモ」。