少年ライフル魔事件
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少年ライフル魔事件(しょうねんらいふるまじけん)とは、1965年(昭和40年)7月29日に発生した18歳の少年によるライフル乱射事件である。
少年と警官隊との間で西部劇さながらの銃撃戦が繰り広げられた異常な展開を見せた。
[編集] 事件の概要
1965年7月29日、現在の神奈川県座間市で、犯人・片桐操(1947年4月15日生、当時18歳)が空気銃でスズメを撃っていた所、警官に訊問された。それに対して、片桐は警官をライフル銃で銃撃した。警官1人を殺害し、もう1人も負傷させた。
その後は乗用車を奪って逃走し、東京都渋谷区の銃砲店から武器弾薬を強奪し、その銃砲店の従業員を人質にとり立てこもり警官隊との間で西部劇さながらの銃撃戦になった。
そのため付近を通る山手線は運休し、3000人ものヤジ馬が集まり、付近は騒然とした。最終的には勇敢な警察官が片桐の隙を見て体当たり、片桐がライフルを取り落とした所を取り押さえて逮捕し、事件は解決した。
[編集] その後の経過
片桐の動機は、愛読していたバイオレンス小説のような事を実際にしてみたかったというものであった。一審の横浜地方裁判所は無期懲役を言い渡したが、控訴審で東京高等裁判所は矯正の余地なしとして死刑を宣告し、最高裁判所も二審判決を支持、上告を棄却した。尤も、片桐本人は自暴自棄になっていたためか、死刑になることを一審から望んでいたが、裁判所が死刑を言い渡したのは本人の希望を叶えたわけではなく、凶悪で矯正不能な犯罪者として始末すべしと判断したからといえる。
1972年7月21日、片桐の死刑が執行された。享年25歳。犯行当時18歳とは言え、少年(死刑判決確定時は既に成人となっていたが)への死刑執行は、日本国内でも過去に少数あったものの、極めて珍しい。