市川流
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市川流(いちかわりゅう)
1. 歌舞伎舞踊(日本舞踊)の一流派。九代目市川團十郎の創始にかかり、二代目市川翠扇(九代目実子)、三代目市川翠扇(九代目孫)と継承して現宗家十二代目市川團十郎に至る。
2. 歌舞伎市川流。歌舞伎には本来流儀はないが、市川團十郎家における荒事の芸系の特殊さと、代々の当主が歌舞伎における代表的な役者であり、特に江戸においてその名跡が特別な意味を持っていることを尊重して、比喩的に「歌舞伎の宗家」「歌舞伎市川流宗家」と呼ぶことがある。「歌舞伎市川流」とした場合には、特に市川家が代々継承してきた荒事や歌舞伎十八番を指すことが多い。語源は七代目市川團十郎が天保三年(1832年)に『助六』を演じた際、「市川流十八番の内」と銘打ったことにあるという。