帯締め
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帯締め(おびじめ)は、着物の着付けをするために必要な小道具の一つで、帯を固定するのに用いる紐。帯締め紐。
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[編集] 発祥
帯締めは、江戸時代の文化年間にはじまる。当時人気であった歌舞伎役者が衣裳の着崩れを防止する為に、帯の上に締めたヒモが帯締めのルーツである。それを真似て装った女性らに流行し、その便利さから「帯締め」として庶民にも定着した。地方では「帯とめ紐」と呼ばれたこともあった。
[編集] 形態
帯締め紐には大きく三種類あり、「丸打ち紐」、「角打ち紐」、「平打ち紐」に分けられる。 当初は丸打ち紐のみであったが、明治時代以降、時代をおってその種類が増えた。同じく江戸時代には短かった紐の長さも、徐々に長さを持つようになり、戦後からは随分と長い製品もあらわれるようになった。
紐は、日本の伝統工芸である組み紐で作られる。数十本の糸を様々な組み方で織る手法は、糸の色彩、糸の太細でそのリズムを変え、多彩な表情をみせる。 糸の素材は主に染色された絹糸であり、帯締め紐一本を仕上げるのにはかなりの熟練技術と集中力が要求される。現代的な帯締めもあり、組みあげの際に糸にガラスビーズを交えた帯締め紐はきらびやかな輝きで注目され、趣味製の強い装いのアイテムとして好まれる。組み紐の専門家は伝統工芸士を中心に構成されているが、その人数は年々減少しており、最近は日本各地で後継者不足に悩まされている。
四季のある日本で、永々と培われた着物文化のひとつである帯締めには、夏の季節の仕様の織り方の帯締め紐と、春、秋、冬のスリーシーズンの仕様の紐に大きく分けられる。それぞれ着物に合わせて季節やTPOを考慮し、コーディネートする。
[編集] 方法
帯締めは、女性の和服の着付けでしか使わない小物である。基本的な使い方は、帯を結んだ「お太鼓結び」の背中の部分(お太鼓の垂れで作った輪の下)に通し、オランダ線にのせて前へ渡し、前板の入った帯正面に「寿結び」などの結び方で固く結ぶ。帯の上に一本線が渡るように締めるが、正面から見て紐が上下等間隔にならないようにやや下気味に整える。余った左右の紐端は背中近くにおさめ、慶事の際は下から上へ、忌事の際は上から下へ差し込んでおくのが習わしとされる。
[編集] 種類
- 伊賀組み紐
- 三分紐
などがある。
[編集] 関連項目
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