幻の湖
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『幻の湖』(まぼろしのみずうみ)は、1982年に公開された日本映画。上映時間2時間44分。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] 概要
『砂の器』『八甲田山』に続く、橋本プロダクション制作作品。原作・脚本・監督は、橋本プロ代表の脚本家、橋本忍。
「ネオ・サスペンス」と称し、ソープ嬢の愛犬の死を発端とする壮大な物語が展開される大作であったが、あまりに難解な内容のため客足が伸びず、急遽たのきんトリオの『ハイティーン・ブギ』に差し替えられる形で、公開からわずか一週間で打ち切られる事となった(二週間とも言われる)。
以降、2003年にDVD化されるまで、名画座のレイトショー等でしか観られない、文字通り「幻の」作品だった。日本を代表する脚本家であった橋本忍は、この作品の失敗で映画界の信頼を失ったとされている。
意味深とも意味不明とも取れる内容が新世代のファンにカルトな人気を呼び、現在では『シベリア超特急』(水野晴郎監督)に並ぶ日本屈指のカルト映画として、前述のDVD化をはじめとした再評価がなされている。東宝創立50周年記念作品にして、昭和57年文化庁芸術祭参加作品。
[編集] あらすじ
雄琴のソープランド街で「お市」の源氏名で働く道子は、愛犬シロを何者かによって殺害される。怒った道子は、犯人を捜し出して得意のマラソンで倒れるまで走らせる事を誓う。史実の浅井長政の妻「お市」もまた大切な侍女を理不尽に殺された人だという事実を知った道子は、お市に深く共感し、やがて琵琶湖にまつわる激しい怨念の虜となっていく。
琵琶湖周辺の美しい風景のもと、物語は湖岸のソープランドから大都会の芸能プロダクション、400年前の戦国時代へ、ひいては米国諜報機関やスペースシャトル計画などおおよそ関係ないと思われる要素まで絡めつつ、クライマックスの犯人との壮絶なマラソン決戦へと結実してゆく。
[編集] スタッフ
[編集] キャスト
- 南條玲子(尾坂道子(お市))
- 隆大介(長尾正信/吉康)
- 光田昌弘(日夏圭介)
- 長谷川初範(倉田修)
- かたせ梨乃(淀君)
- デビ・カムダ(ローザ)
- 室田日出男(矢崎)
- 谷幹一(関口)
- 北村和夫(大西)
- 仲谷昇(弁護士)
- 下条アトム(平山)
- 星野知子(みつ)
- 大滝秀治(藤掛三河)
- 宮口精二(長尾吉兼)
- 関根恵子(お市の方)
- 北大路欣也(織田信長)
[編集] 外部リンク
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