幻想のアルテミス
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ジャンル | 恋愛アドベンチャーゲーム |
対応機種 | プレイステーション |
開発元 | アストロビジョン |
発売元 | 翔泳社 |
人数 | 1 |
メディア | CD-ROM |
発売日 | 2000年1月27日 |
『幻想のアルテミス』(げんそうのアルテミス)は、翔泳社より2000年1月27日に発売されたプレイステーション用ゲームソフト。英題は「Actress School Mystery Adventure」。
多くのギャルゲーを輩出したアストロビジョンが、翔泳社より「一風変わったギャルゲーを」との依頼により制作したゲームであり、サスペンスと恋愛の二つの要素を持っている。
目次 |
[編集] 概要
主人公が探偵として、5人のヒロインとの恋愛を軸としつつ、依頼された事件の解決を目指すゲームである。
プロローグを終えた後、5人のヒロインの中から1人を選択することで、以降は5つの物語に分岐する。各物語はそれぞれ独立しており、物語次第では事件の真相、犯人が異なる上、各登場人物の設定も異なる。
また基本はギャルゲーであるため、主人公の捜査中の行動や会話によって、ヒロインたちが主人公に対して抱く好感の度合いが変化する。当初の目的である事件解決に至っても、ヒロインとの恋愛が成就しなければ、グッドエンドとはならない。
さらに5人目のヒロインは、本来は主人公の捜査のサポート役である。当初はヒロインの選択肢は4人のみであり、5人目を選択するにはゲーム中で一定の条件を満たす必要がある。
[編集] 物語
舞台は多くの女性トップアイドルを世に送り続けている女子専門芸能学校、生駒アクトレス・スクール。ある夜、学校でも屈指の実力の持ち主である生徒・高原かおるが屋上から飛び降りて死亡する。警察の判断は自殺だが、その動機は謎のまま。理事長・生駒江里子は事件解決のために日下部探偵事務所を訪れ、主人公・日下部恭一に調査を依頼する。恭一は江里子や遠縁の生駒良子の提案で、新任講師という名目で学園に潜入し、良子と共に調査を開始する。
[編集] みこと編
学園の創設者・生駒健太郎の遺作となったミュージカル『アルテミスの階段』は、主演予定のかおるの死により中断を余儀なくされるかと思われたが、三香原さらさが主演となって開催が決定。しかし練習中、さらさまでもが何者かの工作で負傷を負い、国栖みことに主演の白羽の矢が立つ。
[編集] さらさ編
かおるの死後、さらさへの執拗な嫌がらせが続くようになる。さらさが出演を目指す大規模ファッションショー「エストー・ブイジョーネ」は、出演候補のかおるがさらさに敗れたという経緯があった。犯人はそれを快く思わない者の仕業なのだろうか。
[編集] こずえ編
泊瀬こずえがさらさの付き人となって以来、さらさに何者かの執拗な嫌がらせが始まる。さらさはこずえを犯人と疑うが、こずえの真意はさらさを何者かから守ることであった。では真犯人は何者なのか?
[編集] 萌編
姫島萌主演、かおる・小山田まお共演の映画『凍える夏』。かおるの死は、映画の彼女の設定通りであった。そして撮影期間中、まおまでもが他殺体で発見される。次々に映画の台本通りに惨劇が続いてゆく。
[編集] 良子編
良子が学園に入学した理由。それは養父・生駒良太郎の死に、学園内の何者かが関与していると睨み、その証拠をつかむためだった。恭一は良子と共に、かおるの遺した手紙を手掛かりとして生駒の死の謎を追う。
[編集] 登場人物
- 日下部恭一(くさかべ きょういち)
- 主人公(プレイヤー)。大学3年生。父の探偵業をたびたび手伝っていたものの、父の急死により探偵事務所を受け継ぐ羽目になる。尾行や調査などの基本知識は備えているが、所詮は新米探偵である。
[編集] ヒロイン
いずれも生駒アクトレス・スクールの生徒。
- 国栖みこと(くにす みこと) 声:川澄綾子
- 舞台女優を目指す少女。活発そうな外見とは対照的に、おっとり気味の性格で、少々天然ボケ、恋愛感情にも鈍感だが、基本的にはいつも前向き、元気で明るく振舞う。良い・悪い双方の意味で芸能界に慣れていない「普通」の少女である。特技の剣道は初段の腕前。ある意味で作品の世界観を背負うキャラクターとされている。17歳。
- 三香原さらさ(みかはら さらさ) 声:柚木涼香
- 在学中でありながら、既に第一線のグラビアモデルとしても活躍している。高いプライドの持ち主で、振る舞いも高圧的なために反感を買う者も多いが、その実、その表面的態度に隠された彼女の本心や素顔は誰も知らない。19歳。
- 泊瀬こずえ(はつせ こづえ) 声:篠原恵美
- 歌手志望。内向的な性格のために無口で、感情をあまり表に出さないものの、その歌唱力は日本トップクラスで、ピアノ演奏の腕前も学園随一。三香原さらさに対してとある恩義があり、恩返しのために自ら進んで彼女の仕事の付き人を務めている。18歳。
- 姫島萌(ひめしま もえ) 声:西原久美子
- 「10年に1人」と言われるほどの芝居の天才児。その演技力は、一種の自己暗示により役柄になりきってしまうというもので、演技中の彼女はまさに別人。普段は天真爛漫な性格で、学園のマスコット的存在。恭一を「お兄ちゃん」と呼んで慕う。15歳。
- 生駒良子(いこま りょうこ) 声:大谷育江
- 理事長・生駒江里子の遠縁。本来は芸能人ならぬ作家志望だが、わけありで学園に入学した。屈託のない性格と好奇心の持ち主。推理小説ファンならではの推理力と情報力で恭一をサポートする。概要で触れた5人目のヒロイン。17歳。
[編集] 生駒アクトレス・スクール生徒
- 高原かおる(たかはら かおる) 声:西沢広香
- 学園内でも屈指の実力を持つ国民的美少女であったが、突如として謎の死を遂げる。この事件は学園のみならず業界全体に波紋を広げ、この物語全体の発端となる。享年17歳。
- 小山田まお(おやまだ まお) 声:みちる
- いつでもどこでも元気だけが取り得の能天気な少女。それだけに親しみやすい性格でもあるが、奇抜な思考に周囲がついて行けないこともたびたび。16歳。
- 笹本あおい(ささもと あおい) 声:雪乃五月(現:雪野五月)
- 女子寮の寮長。学園生徒有数のしっかり者で、皆からの信頼も厚いが、厳しい性格のために融通が利かないのが玉に瑕。美少年のような風貌だけに同性から大人気。19歳。
- 菅原リカ(すがわら リカ) 声:みちる(二役)
- 中途入学の生徒で、同じく中途入学であるみこと、かおるとは親友同士。数か月前に突如、退学して失踪。それが本事件と関りがあるのではと、一部で思われている。18歳。
- ※みこと編のみ登場
[編集] 生駒アクトレス・スクール経営陣・講師陣
- 生駒江里子(いこま えりこ) 声:篠原恵美(二役)
- 理事長。学園創設者である夫・生駒健太郎の死後、夫の遺した本学園を女手一つで取り仕切ってきた敏腕経営者。まさに外見も中身もキャリアウーマン。自身も元女優。38歳。
- 村岡篤春(むらおか とくはる) 声:高松直輝
- 学長として経営の片翼を担う一方、大手芸能プロダクション社長も兼任する多忙な人物。温厚で人当たりが良いが、多忙なだけに学園不在が多い。42歳。
- 橘光枝(たちばな みつえ) 声:一輝あい
- 演技指導官で、講師陣では最年長。規律に厳しく、生徒たちからは鬼のように恐れられている。68歳。
- 森里みどり(もりさと みどり) 声:井上喜久子
- 作曲家兼歌唱指導官。かつては人気アイドルだったが、引退後は本学園の専任講師を務めている。人当たりの良さや元芸能人という経歴もあって、生徒たちの良き相談相手。28歳。
- 西条五郎(さいじょう ごろう) 声:山口雅義
- 演出家。才能は確かだが、女に手を出すのも早く、教師としても可愛い子ばかり熱心に指導するので、生徒たちからの評判は良くない。35歳。
- 生駒健太郎(いこま けんたろう)
- 故人。元は劇作家・演出家として一時代を築いた人物だが、一線を退いた後、後進の育成のために本学園を創設した。享年59歳。
[編集] その他
- 吾妻剛(あずま つよし) 声:佐倉徹
- 刑事(警部補)。強引な力技の捜査により数々の事件を解決したベテラン刑事である。かおるの死因を探るために本学園を訪れる。52歳。
- 御手洗拓也(みたらい たくや) 声:大橋隆昌
- フリー・ジャーナリスト兼カメラマン。本学園のスキャンダルを狙って頻繁に園内に侵入する。自分の姓を誤読されるとひどく不機嫌になる。31歳。
- 岩野洋輔(いわさき ようすけ) 声:野本祥之
- 映画監督。本業のみならず各分野で活躍を続ける、若き天才マルチクリエイター。萌の主演映画『凍える夏』の監督を務める。29歳。
- ※萌編のみ登場
- 篠崎雅弘(しのざき まさひろ) 声:江森太郎
- 映画『凍える夏』の主演俳優で、人気・実力共にトップの座に就く男性アイドルタレント。18歳。
- ※萌編のみ登場
- 松浦慎吾(まつうら しんご) 声:神田陽司
- 本学園の生徒のようなアイドル予備軍を追い回すカメラ小僧。その行為は生徒のみならず、学園全体から問題視されている。萌がお気に入りだが、その情熱は本物で、悪気はないらしい。20歳。
- ※萌編のみ登場
[編集] 主題歌
- 「アルテミス・イリュージョン」
- 作詞:麻生優子 作・編曲:浅川政夫 歌:川澄綾子
[編集] 出典元
[編集] 書籍
- 鴇田洋史ほか 『幻想のアルテミス 公式パーフェクトコレクション』 メディアワークス、2000年。