弦楽五重奏曲第6番 (モーツァルト)
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弦楽五重奏曲第6番変ホ長調K.614は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトによって、1791年4月12日に作曲された弦楽五重奏曲である。
モーツァルト最晩年の作品であり、この曲を作曲した約8ヶ月後、1791年12月に、モーツァルトは35歳の若さで世を去ることになる。この曲のあとに残された器楽曲は、有名な『クラリネット協奏曲イ長調K.622』のみであり、そのクラリネット協奏曲K.622同様、この弦楽五重奏曲K.614も、モーツァルト晩年特有の洗練された美しさを持っている。
[編集] 作曲の経緯
前年の1791年12月に作曲された弦楽五重奏曲第5番ニ長調K.593同様、ハンガリー人のヴァイオリン奏者ヨハン・トストからの依頼によるものと考えられている。詳しくは弦楽五重奏曲第5番 (モーツァルト)の項を参照のこと。
[編集] 曲の構成
当時すでに健康を害し、経済的にも泥沼状態であったモーツァルトだが、この曲にはそのような影はなく、晩年特有の透明な美しさを持っている。簡明な曲風はハイドン的でもあり、また随所にハイドンのロシア四重奏曲によく似たリズムや音型をみることができる。そのようなことから、この曲は死を目前にしたモーツァルトの、ハイドンへのオマージュではないかとも言われる。
- 第1楽章 Allegro di molto
- ヴィオラ2本とヴァイオリン2本の掛け合いによる第1主題から始まる。これはハイドンの弦楽四重奏曲『鳥』の第2主題に似ていると言われる。
- 第2楽章 Andante
- 有名なアイネ・クライネ・ナハトムジークの第2楽章に似た主題である。また、ハイドンの弦楽四重奏曲『鳥』の第2楽章の主題に似ているとも言える。
- 第3楽章 Menuetto: Allegretto
- 極めて簡潔で、明るく伸び伸びとしたメヌエットである。
- 第4楽章 Allegro
- 終楽章の主題にはハイドンが好んで使った音型が顕著である。ハイドン的なきびきびとした音楽性が魅力だが、展開部は5声部が織り合わされた対位法が駆使されている。
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- 演奏時間25分ほど