後方連絡線
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後方連絡線(こうほうれんらくせん Line of communication, LOC)とは作戦地域と根拠地の間における交通の線的関係を言う。背後連絡線、作戦線、兵站線とも言う。
[編集] 概要
すべての作戦部隊は後方連絡線上において行動し、常に根拠地からの兵站補給などの後方支援を受け、戦力を逐次回復している。これを敵によって迂回機動されて遮断されることは支援を受けている作戦部隊が戦力を回復できないだけでなく、孤立することとなる。後方連絡線外において作戦行動する部隊も各種後方支援が受けられなくなる。そのために後方連絡線を維持することは戦術的にも重要な要素であると言える。ただし陸路の後方連絡線は一般的に輸送力が乏しく、一個師団が一日に要する物資5000トンの兵站補給を維持する場合、整備された道路であっても一日に100キロメートルを往復するのが限界である。そのため、野外集積所や河川などの水上交通路を利用する必要がある。
[編集] 参考文献
- 眞邉正行(著)『防衛用語辞典』国会刊行会
- マーチン・ファン・クレフェルト、佐藤佐三郎訳『補給戦 何が勝敗を決定するのか』(中央公論社2006年5月)
- アントワーヌ・アンリ・ジョミニ、佐藤徳太郎訳『戦争概論』(中央公論新社)