忍道 戒
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『忍道 戒』(しのびどう いましめ)は2005年11月10日にスパイクにより発売のプレイステーション2(PS2)用ゲームソフト。アクワイア が製作。
2006年3月30日には、130以上のミッションを収録した『忍道 匠』、同年10月26日にはPSPソフト『忍道 焔』が発売されている。
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[編集] 概要
このゲームは忍者が主人公のステルスゲームである。同様なゲームタイトルとして『天誅』シリーズが挙げられるが、『天誅』は版権の変遷(天誅の項目参照)により、本来開発していたアクワイアが開発に関われなくなった。このため新たな忍者ゲームタイトルとしてスパイクとのタッグにより生み出されたのが本作である。姉妹シリーズとして道がタイトルに冠せられる侍道シリーズ(侍、侍道2)がある。
[編集] ゲームシステム
柱となるゲームシステムはアクワイア開発の天誅と侍道から各々受け継いだものがある。一撃必殺、そしてハラキリエンジンである。
- 一撃必殺とは、敵に見つからずに接近したり、敵の攻撃の隙をつくことで一瞬で敵を葬り去るシステムのことである。天誅シリーズでは必殺、忍殺と呼ばれていたが、忍道では血祀殺法(ちまつりさっぽう)という名称になった。動きに無駄がなく、素早く敵を仕留められるようになっている。壁などに張り付いているときやぶら下がっているときや、ふすま越しに決めたり、発覚中でもうまく隙をついたりすることで決めることができ、使い勝手がよくなっている。
- ハラキリエンジンとは、ゲーム内にいくつかの勢力があり、主人公の介入によりそれぞれの勢力の情勢が変化し、異なったストーリー展開を楽しめるシステムである。具体的には依頼主から送られてくる矢文に従い任務を遂行してゆくことで、任務の成功の可否や首尾によって依頼主の好感度や軍備、空腹度などに変化をもたらし、送られてくる任務が変化していくという仕掛けである。
また、さらに本作の魅力としては、マップの「箱庭」感がある。これもアクワイア開発の『天誅』のセールスポイントとなっていたものである。ある一定の範囲内では行き来が自由になっており、ルートを自由に選べること、これが天誅における箱庭の概要である。が、本作ではさらに物理演算システムが採用されているため、マップ内のオブジェクトも持ち上げたり、投げたりが可能であり、その挙動も物理法則に則っているようになされるため、より臨場感が楽しめ、遊びの幅がひろがった箱庭となっている。特にふすまはよく出来ていて、敵も味方もきちんと開閉が操作でき、斬り捨てたりもでき、かなり再現度が高い。
任務目的も敵を倒すことだけではなく、手紙や金庫を運んだり盗んだり、キノコや草を集めたり、味方を敵から警護したり、様々な目的が用意されていて、それらを達成したかどうかがすべて戦の情勢に大きく関わってくる。
敵の反応も賢く執拗な面もありながら、人間臭く、間が抜けていてお茶目でもあり、表情が細やかに変わったり、色々な独り言をつぶやいたり、大げさに驚いてくれたり、仲間を呼んだりするなど反応も豊かでゲームの存在感を引き立てるのに一役買っている。
ゲームプレイの快適さも特筆ものである。PS2で作ってきた剣戟アクションのノウハウが生かされた、シンプルながら、テンポよい駆け引きの戦闘や、従来の天誅をはるかに上回る、ジャンプやダッシュ、壁走りなどの高性能なアクションを可能にしていながら、ステルスゲームとして十分成立することを証明しつつ、ステルス以外の面も充実させ、驚くほどの爽快感の高さを実現している。
アイテムの存在感も大きい。調合することで手軽に自分で有効な忍具を作る事ができる。アイテムを使わなくても十分に面白いのだが、アイテムの有用性が格段に高く、かなり強いアイテムも作れるほど融通が利き、そのありがたみがよくわかる設計になっている。
さらにいくつかの隠し要素や収集要素があり、何度も繰り返して遊べる仕様とあいまって、奥深い。
[編集] ミッションコンストラクトモード
本作ではミッションエディター匠(みっしょんえでぃたー たくみ)と名づけられた任務作成モードが存在する。これは『天誅』における虎の巻を基にしたゲームモードである。しかし、版権の移動以降、PS2ではついぞ作られることのなかったシステムである。
任務作成では、マップ構成、多様な任務目的や制限時間などを設定し、好きな任務をつくることができる。マップには、高低差や木や建物、敵などの人間をフィールド内に自由に配置し、ステージを作成できる。雰囲気別にそろったマップセットの特性を生かし、様々に意趣を凝らしたマップを造ることができる。
ミッションコンストラクトモードは末永く遊ぶことができるので本作の大きな魅力のひとつである。
『忍道 戒』、『忍道 匠』は、搭載されている任務作成モードが互換性を持っており、共有される任務データで、任務の作成、編集と、任務を遊ぶことが可能。『忍道 焔』では、『忍道 戒』、『忍道 匠』で作成された任務をダウンロードして遊ぶことができる。
[編集] 忍道 匠
上述の「ミッションエディター匠」によって製作された任務を130以上収録したソフトが『忍道 匠』である。独立したソフトであり本ソフトのみで遊べる。一般公募の任務から選出されたものが、15基ある塔の各階に割り振られた「錬塔絵巻」というかたちで収録されている。ミッションエディターの機能を生かした意趣のある任務が多い。これらの任務をクリアしていくことで、『忍道 戒』では使えなかったボスや雑魚忍者、用心棒、熊などのキャラがそのキャラ固有のモーションで使用可能になっていく。キャラ毎の特性の違いによる任務攻略の有利不利を吟味してプレイできるのも魅力。
さらに、本ソフトにも「ミッションエディター匠」は搭載されており、匠から新規に使用可能になったキャラでプレイできる任務を製作可能。また、『忍道 戒』のミッションエディター匠で作った任務も読み込むことができ、戒では使えなかった追加キャラでその任務をプレイできる。
その他にも、『忍道 戒』に比べ、主人公キャラのコンボが増加していたり、オブジェクトの処理やダメージやその他、地味に改良が加えられている。
[編集] 忍道 焔
忍道シリーズ初のPSP作品であり、PS2『忍道 戒』『忍道 匠』の「ミッションエディター匠」で作成されたユーザー個人のオリジナル任務で遊ぶことが可能。シナリオモードの「諸国漫遊」では収録されている80の任務をクリアしていく。キャラクターのレベルアップが可能で、任務で得た評価に応じ経験値を得、ステータスのアップ、奥義の習得をしていく。最終的に使用できるキャラクターは、忍者、武士、大名、忍熊など36に及ぶ。
[編集] 忍道 戒ストーリー
舞台は室町後期、宇高多。 河原に倒れていた一人の青年。彼は己の記憶を失っていた。
その場にいた猫に導かれるまま、小汚い廃屋にたどり着いた青年。そこに落ちていた桃色にきらきら光る謎の物体を手に取り、覗き込むと、断片的な記憶の映像が見える。そこへ一通の矢文が。矢文によれば、謎の物体は青年自身の失われた記憶が宿る魂の欠片だという。矢文に従い、青年はこの宇高多の地の領主、一条信輝を訪ねるが…。
自分が飛鳥忍者の生き残り、「鴉」であると知った青年は、忍びとして力を貸す見返りに、宇高多に散った魂の欠片の情報を大名から集めることにする。かつて飛鳥忍者と親交を結んでいた義理を重んじ、一条に仕えるか、または資金、軍事力優れる赤目に仕えるか、或いは新興宗教の教祖、貞女に仕えるか…。3つの勢力にまんべんなく顔を売っておくのも良い。記憶さえ取り戻せればかまわないのである。
さらなる飛鳥忍者の生き残り、キヌやザジと出会い、各地から宇高多に集結する忍者軍団との戦いを経て、飛鳥忍者「鴉のゴウ」としての自分を取り戻していくが、やがて過去に自らが犯した過ちに気付くこととなる。宇高多の戦乱の影で暗躍する人物の姿が明らかになる…。
[編集] 忍道 戒登場キャラクター
[編集] 飛鳥忍者
- 鴉(からす)のゴウ(声:羽多野渉)
- ゲームの主人公。飛鳥の里の忍者だが、里が滅んだ時に魂を抜かれ、記憶を失っている。、一条ら大名に忍びとして仕え、魂の欠片を集めることとなる。なぜ魂を抜かれたのか、なぜ飛鳥の里が滅びたのかは、魂の欠片を集め、記憶を結び合わせるうちに明らかになる。
- 黒鷹(くろたか)のザジ(声:小西克幸)
- 飛鳥の里の生き残り。ゴウの兄弟子にあたり、実力ではゴウを上回る。かつては共に修行に励み、親しくした仲であったが、飛鳥の里が滅びてから、記憶なきゴウの命を執拗に狙う。
- 金糸雀(かなりや)のキヌ(声:幸田夏穂)
- 飛鳥の里の生き残り。ゴウやザジとは共に修行に励んだ仲。記憶を失くしたゴウに対し、どこか冷たい態度をとる。
- 大鷲(おおわし)のタイガ(声:櫛田泰道)
- 里が滅びる前の飛鳥忍者の御大将。ザジ、ゴウ、キヌの育ての親でもある。飛鳥の壊滅の際、戦死。死に際の直前、居合わせたゴウに何かを託していたようだ。
[編集] 大名
- 一条信輝(いちじょう のぶてる)(声:森田順平)
- 飛鳥忍者を頼りに宇高多を平和に治めてきた大名だが、その飛鳥の里が滅びてしまい苦境に立たされる。争いを好まない性格で、赤目や貞女とも和解の道を探っている。
- 赤目影虎(あかめ かげとら)(声:飯塚昭三)
- 宇高多の隣国の大名。飛鳥の里壊滅を好機と、豊富な資金と兵力を用いて宇高多に侵攻を開始する。見た目通り無骨ではあるが、部下に対する面倒見の良さと実力ある者には対等に接する性分から慕われる。
- 貞女(さだめ)(声:幸田直子)
- 宇高多に勢力を広げる新興宗教「阿無璃他教(あむりたきょう)」の教祖。性格は適当だが、高いカリスマ性で信者たちをまとめている。
[編集] 忍者軍団
[編集] 多羅場忍軍(たらばにんぐん)
- 冑(かぶと)(声:大川透)
- 多羅場忍軍の首領。甲冑をまとい、重厚な装甲に大筒や火炎放射器で武装した戦闘的忍者。何らかの目的があって宇高多にやってきたようだが詳細は不明。ゴウの過去とも関係があるようだ。
[編集] 喪巣忍者(もすにんじゃ)
- 揚羽(あげは)・薄羽(うすば)(声:共に氷上恭子)
- 女だけで構成された喪巣(もす)忍者の頭領で、見分けがつかないほどそっくりな双子。ゴウとの間に因縁がある様子。本来はタテハを含めた三つ子。
[編集] 毛伸衆(けのびしゅう)
[編集] その他
[編集] 忍道 戒タイアップソング
「STYLE~get glory in this hand~」 HIGH and MIGHTY COLOR
[編集] 外部リンク
忍道 戒
忍道 匠
忍道 焔
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