天誅
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天誅(てんちゅう)
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[編集] シリーズ一覧
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- 「天誅」と「天誅 忍凱旋」はほぼ同一内容であるが、忍凱旋の方にはステージ二つ、任務作成モード(虎の巻)、オープニングムービー、言語選択機能などが追加されている。
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- 天誅 参 ~回帰ノ章~(かいきのしょう) 2004年5月27日発売。
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- 天誅 彩女の章(あやめのしょう)Yahoo!ケータイ版、EZweb版がそれぞれ配信中。
- 天誅 忍術皆伝(にんじゅつかいでん)Yahoo!ケータイ版、EZweb版がそれぞれ配信中。
[編集] 版権の変遷
天誅シリーズの版権は、複雑な推移をたどっている。
第1作である『(初代)天誅』は、アクワイアにより企画・開発され、1998年にソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)より発売された。これを米Activisionが北米地区向けにローカライズ・発売した海外版の追加要素と、新規にマップエディット機能を搭載して日本で発売されたのが『忍凱旋』である。続いて『忍凱旋』のマップエディタ、「虎の巻」による作品集『忍百選』と、第2作『天誅 弐』が発売された。
その後、SMEがゲーム事業より撤退、天誅の版権はActivisionが取得する。この際、諸般の事情によりアクワイアは制作に関与できないこととなった。代わって開発はK2が担当し、日本での発売はフロム・ソフトウェアによって行われることとなる。『天誅 紅』以降についてはフロム・ソフトウェアが版権を取得している。開発は『参』同様にK2によって行われている。
また、アクワイアも独自に忍者アクションゲーム『忍道 戒』を2005年11月10日に発売。さらに2006年3月10日には『忍道 匠』を発売した。
[編集] 概要
時は戦国、大名の郷田氏に影として仕え治世を支える者達がいた。彼らは闇を駆け、人知れず邪悪な者どもに天誅を下していたのである。その名は東忍流(あずましのびりゅう)。
忍者らしい奇策を弄することなく、正面切って怪しげな術を使い暴れ回る忍者が見られる中、忍者の「忍ぶ」側面をモチーフにし、人知れず行動し、一撃で敵を葬り去ることを主眼においたステルスゲームである。アクションの肝は気配を手がかりに、敵に気づかれないように接近し、攻撃ボタンを押すことである。そうすることでプレイヤーキャラ各々が身につけた暗殺術によって相手を一瞬のうちに葬り去る「忍殺(必殺)」の演出が発動し、評価に加点される。敵に見つかればその度に減点され、多数の敵に取り囲まれれば、任務達成はおろかプレイヤーキャラの生命さえ危うくなる。非戦闘員(町人など)の殺害も減点対象になる。高評価を得るには、様々な忍具や技術を駆使してでも、敵に見つからないよう行動し、より多くの敵を葬り、任務を達成することが重要。
一方で、任務遂行のためなら、どのようなルートでマップ内を進もうと自由である。当然、敵との接触を防いだり、全ての敵を忍殺することができるかどうかはプレイヤーのルート選択や行動次第。正面切って突入し、一帯に騒ぎを起こしつつも堂々と目標に向かうこともできる。
天誅 参および紅には、忍者同様に一撃必殺の技を用いる者として始末屋(しまつや)がプレイヤーキャラクターとして登場する。そのモチーフは必殺シリーズであり、これに登場した物に似せた始末道具も多数登場する。
[編集] 主な登場人物
名前の後は登場作品(ただし忍百選は考慮に入れない)。
- 力丸(りきまる)<紅を除く全作>(声: 大川透)、弐は(坪井智浩)
- 東忍流頭目。東に伝わる名刀「十六夜(いざよい)」を背に、忍びとしての卓越した技と徳義心をもって主君のため働く。忍であることに誇りを持ち、いかなる任務も忠実に完遂する。普段は冷静沈着で、思いやりや気遣いを見せることもあるが、己の倫理観に反するものを見、ひとたび内に秘めた激情が迸ると誰も止められない。冥王の騒乱で死んだかと思われたが一年後に奇跡の帰還を果たす。
- 彩女(あやめ)<千乱を除く全作>(声: 沢海陽子)、弐は(乾政子)
- 東忍流の女忍者。性格は奔放、物言いは皮肉屋で醒めた心を持つが、愛するものに対する一途な面もある。菊姫を実の妹のように想い、守ろうと心に決めている。十四歳にして忍術皆伝を受けた天才。二振りの短刀と身軽さゆえの型破りな体術を武器とする。
- 東紫雲斎(あずま しうんさい) <弐、名前のみでは壱も>(声: 塚田正昭)
- 郷田に仕えていた忍者。忍び名は紫丸。戦災孤児の龍丸、力丸、彩女を拾い忍びとして育てた。居合いの太刀筋は引退後も健在だったが、忘失した龍丸に殺められる。
- 郷田松之信(ごうだ まつのしん)<紅を除く全作>(声: 秋元羊介)
- 郷田家当主。民と領内の安寧を第一に考える名君。東の忍びに支えられ領地を密かに守っている。早くして妻を失った寂しさからか、一人娘の菊姫には甘いようである。
- 関谷直忠(せきや なおただ)<紅、千乱を除く全作>(声: 北村弘一)
- 郷田家筆頭家老。郷田家を支え、ダンディで頼もしく気概に溢れるが、一方少しそそっかしくお茶目で愉快な老人。
- 菊姫(きくひめ)<紅、千乱を除く全作>(声: 大谷育江)
- 松之信の一人娘。内乱により五歳のとき母を失う。彩女を姉と慕い、彩女も菊を想う。
- 龍丸(たつまる)<弐・参・忍大全>(声: 浜田賢二)
- 東忍流忍者。体術による攻撃を得意とする。力丸・彩女の兄弟子。郷田内乱の折の二十五歳、紫雲斎より東忍流の座を名刀十六夜とともに受け継いだ。力丸・彩女には兄同様に慕われていたが、忍者集団、陽炎座(かげろうざ)頭領を名乗る女忍者、香我美とともに崩れた岬ごと海に落ちてしまう。海岸に打ち上げられ瀕死のところを香我美に助けられたが、記憶喪失となっていた。その後陽炎座に加わり四天王の一人青龍として活動中、師の紫雲斎を殺めてしまう。その後記憶が戻っても香我美のため側にあることを決め、陽炎座に留まり郷田に反目。争乱の終盤、罪を雪ぐために自決。十六夜は力丸の手に継がれることとなる。
- 蝉丸(せみまる)<弐ではストーリーに登場。壱、参、紅、千乱では忍具として登場。参、忍大全ではプレイ可能キャラ。>
- 東忍流忍犬。赤や緑の鮮やかな布地を首に巻いている柴犬。東忍の忠犬として任務の補佐をする。優れた嗅覚による敵の追跡や鋭い牙と敏捷な動きによる噛み付きを得意とする。人懐こく、感情の機微がわかる。
- 鬼陰(おにかげ)<紅、千乱を除く全作>(声: 江川央生)
- 齢八百歳といわれる伝説の忍者。刃を仕込んだ脚絆による足技を得意とする。乱ある所この男あり。主たる冥王を現世に蘇らせるための血を求め、陽炎座に潜伏し四天王朱雀を称していた。冥王による此岸の支配のため、配下の鬼面衆を下知し、郷田を手中に入れようとする。
- その後冥王が復活し、菊姫をさらうが力丸らによって倒される。冥王も共に倒される。
- その後天来によって蘇る。再度冥王復活を望み、七支刀を奪おうとする。しかし天来城砦で力丸らによって倒され、力丸の場合自ら奈落に落ち、彩女の場合龍丸と共に落ちる。しかし力丸の場合のエンディング後冥王を復活させた。
- 香我美(かがみ)<弐>(声: 田中敦子)
- 戸田義貞に仕えていた如月流頭領の女忍者。忍びの世を築かんが為、戸田を裏切り陽炎座を旗揚げし、龍丸や鬼陰を含む多くの忍びを配下に集め、郷田の国、ひいては天下を狙う。能を嗜み、事あるごとに面を着けて舞を踏んでいる。
- 天来(てんらい)<参>(声: 大塚周夫)
- 齢三百を超える妖術使い。龍丸や鬼陰などのつわものどもを蘇らせて操り、世界征服を目論む。
- 藤岡鉄舟(ふじおか てっしゅう)<参・紅(デモムービーに一瞬登場)・忍大全>(声: 小西克幸)
- 昼はしがない町医者、夜は始末屋。針と骨外し・心臓握り等の手技を殊とする。金にがめつい。
- 凛(りん)<紅・忍大全>(声: 雪乃五月)
- 葉隠れの里出身の少女で、忍びとなるため育てられたが十六のとき里を焼かれ始末屋となる。彩女を里を滅ぼした敵と勘違いするが、誤解は解け、真の敵、里の裏切り者、しかし元許婚の重蔵と配下の黒屋一味を苦悩しつつも始末する。
- 黒塗りの重蔵(くろぬりのじゅうぞう)<紅・忍大全>(声: 中田浩二)
- 元は葉隠れの里の忍びであったが、影に生きるのを良しとせず、また、殺しこそが喜びであった為、始末屋集団「黒屋」を結成し、里を襲撃する。最後は元許嫁であり、かつての仲間でもある凛により、その野望と共に葬られる。
[編集] 虎の巻
『天誅』において任務を作成できるモード。凱旋、弐、忍大全に搭載。忍大全に限っては本編も虎の巻でつくられている。主人公や敵などの人物、壁や段差、家屋、木などのオブジェクト、奈落、水場などを設置し自由にマップを構成できる。マップを構成するパーツは雰囲気別に多くのセットが用意されており、任務名、任務目的、制限時間や隠密などのクリア条件を設定し好きな任務を作ることができる。創作意欲の続く限り遊ぶことができ、下らない任務を作ったり、作成した任務のデータを交換したりと長く遊べることが特長。
[編集] 主な忍具など
忍具(にんぐ)は、『天誅』においてプレイヤーキャラなどの忍び達が用いる特殊な道具である。始末屋用の物は始末道具(しまつどうぐ)という。
手裏剣、撒菱(まきびし)といった有名な忍者道具の他、以下のような物が登場する。
- 鉤縄(かぎなわ)
- 壁や塀、軒先などに引っかけ高所へ移動するための道具。問答無用で持たされる。
- 痺れ団子(しびれだんご)
- あまりにうまそうなため、動物はおろか人間でさえ拾い食いしてしまう毒入り団子。敵を首尾よくおびき寄せ、食べてる最中は無我夢中で周囲のことに注意が向かなくなってしまい、飲み下せば即効性の毒が体力を奪うという恐ろしい道具。何度放り投げようとも回収して再利用できる点も脅威。
- 五色米(ごしきまい)
- 本来は情報伝達に用いる着色した米粒だが、このゲームでは地図に目印を付けるため、もしくは空蝉の術使用時の復活位置の目標に使用。方向音痴の忍者にはいかに地図に目印が付いても方角が判りやすくなるということもなく、あまり使われないが、欠かせないことで有名。
- 神命丹(しんみょうたん)
- 体力を全回復する飲み薬。東忍者の秘薬のはずだが他の忍びたちにも流出している。おそらくそれらは海賊版である。ピンチのときは鬼陰も愛用の一本。
- 癇癪玉(かんしゃくだま)
- 投げることで爆発する。モーションの関係上あまり遠くに投げられない。
- 煙玉(けむりだま)
- 投げると煙が発生し、煙で相手の目や鼻や咽喉を刺激し、行動を封じる。風向きなど関係なしに投げた本人だけは一切被害を受けない優れもの。
- 地雷(じらい)
- 踏むと爆発する罠。敵の進行ルートに置くことで罠にかけられる。しかし、気付かれずに進行ルートに置けるということは、すでに敵の動きを把握していることを意味しているので、地雷など使わず一撃必殺を決めたほうが得る物が大きいという罠が存在。戦闘中に仕掛ければ仕掛けるところを見られてもまんまと嵌ってくれる点では有用だが、癇癪玉のほうが手っ取り早いともいえる。
- 吹き矢(ふきや)
- 遠くから毒針により一発で敵を仕留める。発覚状態では毒ダメージを与える。吹き矢に用いる筒は水遁の術にも流用される。
- 八方手裏剣(はっぽうしゅりけん)
- 八つトゲのある手裏剣かと思いきや、なぜか八つの棒手裏剣を一度に投げるという不思議武器。至近距離で発動すればかなりの殺傷力。
- 変化の術(へんげのじゅつ)
- 一定時間敵や町人に成りすまし、人目を欺く。獣にはばれてしまう。
- 空蝉の術(うつせみのじゅつ)
- 体力が尽きる瞬間、変わり身と入れ替わり、復活することが出来る。飲む手間がない分、神命丹より有用。
- 忍犬(にんけん)
- 骨で忍犬蝉丸を召喚し、敵を攻撃させる術。
- 真似笛(まねぶえ)
- どんなに暴れまわっても、姿を隠しこの笛の音を聞かせればすべては動物の仕業と思い込んでもらえる魔笛。
- 鋼糸(はがねいと)
- 必殺シリーズでおなじみの吊し技を披露する始末道具。何もない虚空から吊り下げることができる。
- 爆ぜ車(はぜぐるま)
- 敵などに投げつけ、爆破させることができる風車。
- 竹鉄砲(たけでっぽう)
- 新・必殺仕置人の巳代松の得物そのままの始末道具。至近距離でしか命中しない点もおなじ。
[編集] 外部リンク
公式サイト
- ACQURE Games (~弐)
- tenchu.net (参~)
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