怪談 (小泉八雲)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『怪談』(Kwaidan)は小泉八雲が著した怪奇文学作品集。1904年に出版された。八雲の妻である節子から聞いた日本各地に伝わる伝説、幽霊話などを再話し、独自の解釈を加えて情緒豊かな文学作品としてよみがえらせた。17編の怪談を収めた『怪談』と3編のエッセイを収めた『虫界』の2部からなる。
スペルがKaidanではなくKwaidanなのは、出雲地方の方言で節子が語ったため。出雲弁では「か」を「くゎ」と発音する。現代ではほとんど廃れてしまったが、年配者の中には時折このように発音する者がいる。
[編集] 作品
『怪談』
- 耳なし芳一のはなし(The Story of Mimi-Nashi-Hoichi)
- おしどり(Oshidori)
- お貞のはなし(The Story of O-Tei)
- 乳母ざくら(Ubazakura)
- かけひき(Diplomacy)
- 鏡と鐘
- 食人鬼(Jikininki)
- むじな(Mujina)
- ろくろ首(Rokuro-kubi)
- 葬られた秘密(A Dead Secret)
- 雪女(Yuki-Onna)
- 青柳のはなし(The Story of Aoyagi)
- 十六ざくら(Jiu-Roku-Zakura)
- 安芸之助の夢(The Dream of Akinosuke)
- 力ばか(Riki-Baka)
- 日まわり
- 蓬莱
『虫界』
- 蝶
- 蚊
- 蟻
[編集] 関連作品
- ペール=ヘンリク・ノルドグレン:『怪談』(ピアノ曲)
- ピアニスト舘野泉の委嘱によるピアノのための組曲。特にピアノの弦を直接はじく内部奏法による冷たい音色が冴えわたる『雪女』が有名。作曲者のノルドグレンはフィンランド人作曲家で、日本へ留学した経験からこの曲が生まれた。出版は全音楽譜出版社。
- 映画全体は全4篇から成るが、そのうち第2編『雪女』と第3編『耳なし芳一』が小泉八雲の小説に基づく。テープ変調を伴う邦楽器を駆使した武満徹の音楽・音響がジョルジュ・オーリックやヤニス・クセナキスなど世界的な音楽家達に絶賛された。