戦史
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[編集] トゥキディデスの『戦史』
『戦史』(せんし, History of the Peloponnesian War)は、古代ギリシアの著述家トゥキディデスの著作である。
全8巻。ペロポネソス戦争の歴史を著したもので、客観的かつ実証的な叙述で知られ、物語的叙述であるヘロドトスの『歴史』と対比されることが多い。『戦史』はペロポネソス戦争の全史を記述するはずであったが、紀元前411年頃に突然中断し未完となった。執筆作業はクセノポンに引き継がれ、『ギリシア史』として完成された。
[編集] プロコピオスの『戦史』
『戦史』(せんし, History of Justinian's Wars)は、6世紀の東ローマ帝国の著述家プロコピオスの著作である。
プロコピオスは皇帝ユスティニアヌス1世の将軍ベリサリウスの従軍秘書官で、ベリサリウスによるヴァンダル王国と東ゴート王国の征服に従軍した。『戦史』はその経験を元に、ユスティニアヌス1世を賞賛して書いたものである。