損害保険
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損害保険(そんがいほけん)とは、損害保険会社が取り扱う保険商品の総称。略して損保(そんぽ)とも呼ばれる。
風水害などの自然災害や自動車の衝突事故など、偶然な事故により生じた損害を補償するのが目的であり、保険会社が予想する損害率に応じて保険料(損害保険料)が定められる。
大きく分けて、自動車保険や火災保険などのノンマリン分野と、貨物保険や船舶保険などのマリン分野とがある。 日本では、保険業法を根拠法とし、金融庁による監督のもと個人から法人まで多くの者を契約対象に販売されているものが殆どであるが、火災共済など、保険業法以外に根拠法のある損害保険もある。
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[編集] 商法上の定義
損害保険契約は、当事者の一方(保険者)が偶然な一定の事故によって生ずることあるべき損害を填補することを約し、相手方(保険契約者)がこれに対して報酬を与えることを約することによって効力を生ずる契約である(商法第629条)。
[編集] 主な損害保険の分野
[編集] ノンマリン分野
- 火災保険
- 地震保険(単独加入は不可。必ず住宅火災保険などと併せて加入する。)
- 住宅火災保険
- 住宅総合保険
- 普通火災保険
- 店舗総合保険
- 団地保険
- 自動車保険
- 自動車損害賠償責任保険(俗称・強制保険)
- 任意自動車保険
- 傷害保険
- 海外旅行傷害保険
- 普通傷害保険
- 家族傷害保険
- ファミリー交通傷害保険
- 国内旅行傷害保険
- 海外旅行傷害保険
- ゴルファー保険
- 所得補償保険
- 医療費用保険
- 介護費用保険
- 賠償責任保険
[編集] マリン分野
- 海上保険
- 船舶保険
- 運送保険
- 貨物保険
[編集] 損害保険会社一覧
[編集] 損害保険会社
日本損害保険協会加盟会社
- あいおい損害保険(大東京火災海上保険+千代田火災海上保険)
- 朝日火災海上保険
- 共栄火災海上保険
- ジェイアイ傷害火災保険
- スミセイ損害保険
- セコム損害保険(旧:東洋火災海上保険→セコム東洋損害保険)
- セゾン自動車火災保険(旧:オールステート自動車火災保険)
- ソニー損害保険
- 損害保険ジャパン(安田火災海上保険+日産火災海上保険+第一ライフ損害保険+大成火災海上保険+安田火災→損害保険ジャパン)
- そんぽ24損害保険(旧:安田ライフダイレクト損害保険)
- 大同火災海上保険
- 東京海上日動火災保険(東京海上火災保険+日動火災海上保険)
- トーア再保険(旧:東亜火災海上再保険)
- 日新火災海上保険(東京海上日動社の100%子会社)
- ニッセイ同和損害保険(同和火災海上保険+ニッセイ損害保険)
- 日本興亜損害保険(興亜火災海上保険+日本火災海上保険+太陽火災海上保険)
- 日本地震再保険
- 日立キャピタル損害保険(旧:ユナム・ジャパン傷害保険)
- 富士火災海上保険
- 三井住友海上火災保険(大正海上火災保険→三井海上火災保険+住友海上火災保険)
- 三井ダイレクト損害保険
- 明治安田損害保険(明治損害保険+安田ライフ損害保険)
[編集] 外国損害保険協会加盟会社
※カッコ内に会社名等がある場合は、カッコ内が日本における免許会社名またはグループ会社名。 ※アルファベット順
- エース保険(エース損害保険、英国領バミューダ)
- AIU保険(エイアイユー インシュアランス カンパニー、アメリカ合衆国)
- アメリカンホーム保険(アメリカン・ホーム・アシュアランス カンパニー、アメリカ合衆国)
- アトラディウス信用保険(オランダ)
- アリアンツ火災海上保険、ドイツ)
- アクサ損害保険(フランス)
- カーディフ損害保険(カーディフ・アシュアランス・リスク・ディヴェール、フランス)
- コファスジャパン信用保険(コンパニー・フランセーズ・ダシュランス・プール・ル・コメルス・エクステリュール、フランス)
- フェデラル保険(フェデラル・インシュアランス・カンパニー、アメリカ合衆国)
- ゼネラリ保険(アシキュラチオニ・ゼネラリ・エス・ピー・エイ、イタリア)
- ゲーリング・コンツェルン・アルゲマイネ・保険(ゲーリング・コンツェルン・アルゲマイネ・フェアジッヒャルングス・アクツィーエンゲルゼルシャフト、ドイツ)
- ジェンワース・モーゲージ保険(日本支社が所属、アメリカ合衆国)
- ユーラーヘルメス信用保険(ユーラー・ヘルメス・クレジットフェアズイヘルングス アクテイエンゲゼルシャフト、ドイツ)
- 現代海上火災保険(韓国)
- LIG損害保険(韓国)
- ダウム自動車保険(韓国)
- ロイズ保険組合(ザ・ソサイエティー・オブ・ロイズ総代理店 ロイズ・ジャパン、イギリス)
- ニューインディア保険(ザ・ニュー・インディア・アシュアランス・カンパニー・リミテッド、インド国営)
- アールジーエー再保険(アメリカ合衆国)
- スイス再保険(スイス)
- 大成再保険(英国領バミューダ、大成火災海上保険から会社分割)
- トランスアトランティック再保険(トランスアトランティック リインシュアランスカンパニー、アメリカ合衆国)
- チューリッヒ保険(チューリッヒ・インシュアランス・カンパニー、スイス)
[編集] 損害保険業界の不祥事
[編集] 保険金等の不当な不払い
2005年9月27日、日本の損害保険会社の内の16社にて、保険金の大量不払いがあった事が発覚。その後の調査で保険金不払いが確認されたのは26社にまで達した。不払いが確認された契約は、その大半が自動車保険の特約に集中していた。このため、金融庁がこの26社へ業務改善命令の行政処分を行った。その後、2006年8月11日から上記26社の再調査を実施したところ、さらなる大量の不払いがあったことが判明。先の行政処分が全くの無意味に終わっていた事が明らかになった。
なお、損保業界の不払い問題はこれで終わらず、2006年6月の三井住友海上火災保険による第三分野保険での不払いが発表されたのを皮切りに、2006年11月には第三分野保険で不払いを行っていた損保会社は計14社にまで膨れ上がった。(詳しくは第三分野保険の不払いに関する項目を参照)
このように、不払い調査をしたその後に新たな不払いが大量発覚することが相次いだため、金融庁は2006年11月17日に不払いが発覚した損保26社に対して不払い調査のやり直しを命じた。調査完了時期は保険会社により異なるが、2007年4月末までには概ね完了する見込みとなっている。
また、こうした不払い問題の全容が明らかになるにつれ、保険募集人(保険販売員、保険代理店など)による商品販売時の不適正行為が不払いの原因となった事案も目立つようになった。これを受けて、募集人資格を設けている日本損害保険協会は、こうした状況を是正し募集人の法令遵守への意識を高めるために、2008年4月から募集人資格に更新制度を取り入れる方針を固めた。(現状の募集人資格は、基本的に一度取得すれば無期限で有効なものである)
多数の保険会社で次から次へと不払いが発覚してしまうという、まさに異常な状態となってしまった損保業界であるが、これは「商品の販売だけを最重要視し、後の保障や既契約者のことは二の次三の次」といった営業・利益最優先の体制によって、既存の顧客を軽視していたために引き起こされてしまった当然の結果であり、損保業界への社会からの信用が急速に薄らいだ。なお、各損保会社はこの件に対して、商品の複雑化に伴うシステムチェック機能の甘さおよび伝達の遅れといった内部管理の杜撰さが原因と弁明している。
保険業界全体における保険金不払い問題の歴史は、保険金不払い事件を参照のこと。
[編集] 火災保険料取りすぎ問題
2×4(ツーバイフォー)工法によって建築された建造物は、一般の木造建築物よりも耐火性能に優れているため、その分火災保険に対する保険料の割引が適用される。しかし2006年12月10日には損保大手6社にて、この割引を適用せず保険料を過徴収していた事例があったことが明らかになり、問題化した。
詳しくは火災保険の項目を参照。