数え年
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
数え年(かぞえどし)とは、年齢の数え方の一つ。生まれた時点を「1歳」とし、以降1月1日を迎えるたびに1歳加えるという方法。単に数えともいう。
東アジアでは一般的な方法で、現在でも韓国などでは一般的に用いられている(日本では、太平洋戦争後、中国では文化大革命後、あまり使われなくなった)。
例えば、12月31日に出生した場合、出生時に1歳で、翌日1月1日の時点で2歳となる。また、1月1日に出生した場合は、2歳になるのは翌年1月1日となる。
日本でも古来より数え年が使われていたが、1902年12月22日施行の「年齢計算ニ関スル法律」により、満年齢を使用することとなった。しかし、一般には数え年が使われ続けたことから、1950年1月1日施行の「年齢のとなえ方に関する法律」により、「数え年によつて言い表わす従来のならわしを改めて」、満年齢によって年齢を「言い表わすのを常とするように心がけなければならない」とされるようになった。現在でも習慣的に数え年を使用している高齢者は多いが、それ以外の年齢層が数え年を用るのは占いや伝統行事、享年などの限られた場面のみとなっている。伝統行事である七五三や年祝い(古希・喜寿など)も、数え年・満年齢のいずれで祝っても良いとされていることが多いが、厄年には数え年を使い、満年齢を使うことはほとんどない。尚、葬祭において享年を記す際、佛式や神道では数え年が使われる。近年では享年も満年齢が使用されるケースが多い。
また、競走馬の年齢(馬齢)も、最近まで数え年によっていた。しかし2001年からは、馬齢の国際表記に従って、生まれた年を0歳、1年目を1歳(すなわち、数え年から1を引いたもの)とすることになった。ただし、歳をとるのは現在も一律に1月1日であり、馬齢の表記を「満年齢」であると表現するのは誤りである。
[編集] 数え年と満年齢の換算方法
数え年は生まれた時点の年齢を1歳とし、以後、元日が来るたびに1を加算するのに対し、満年齢は生まれた時点の年齢を0歳とし、以後、誕生日が来るごとに1を加算する。したがって、満年齢と数え年の関係は次のようになる。
元日から誕生日前日まで 数え年=満年齢+2
誕生日から12月31日まで 数え年=満年齢+1
また、数え年と満年齢との間には次の式が成り立つ。
ある年の数え年 = その年に満年齢で何歳になる(なった)か + 1
例えば、自分の今年の数え年を知るためには、今年自分が満何歳になる(なった)かに1を足せば良い。
[編集] 数え年、満年齢、周年の違い
数え年はn年目、満年齢は経過した記念日の回数(n年n箇月)、周年はn年後で表される。例:50年目(数え年)=49年後=49周年。13回忌(数え年)=死後12周年。