日本模型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
日本模型(にっぽんもけい‐Nichimo co.,ltd:略称はニチモ)とは、日本の模型製造会社であり、1951年から創業の伝統ある古参メーカー。正式名称は日本模型株式会社。所在地は栃木県佐野市久保町135。
目次 |
[編集] ニチモの歩み
1951年に日本模型航空工業として創業。当初はゴム動力のライトプレーンなど製造していた。日本初の模型と云われるマルサン商店・ノーチラス号が発売された翌年の1959年にプラモデル業界に進出、自社開発の自動浮沈装置付きのプラモデル・伊号潜水鑑が発売された。
[編集] プラモデル全盛期のニチモ
創業期から自社オリジナルSF戦車を始め、スケールモデルの1/20・1/12モデルカー、1/50・1/48飛行機エアモデル、1/30電動リモコン戦車モデルなど魅力ある製品を多く送り出していた。1973年当時{オイルショック前}、社内に設計開発、金型の製作、成形、出荷と言う一貫体制を整え、AFVブームや安定したスケールモデル、スケールを無視して大きさを30cmに統一した「30センチシリーズ」などの艦船模型を発売。人気が続き年間売り上げは約10億円に達し、プラモデル業界25%のシェアーを得る大手メーカーになるまで成長した。
[編集] 艦船のニチモ
1971年のウォーターラインシリーズが始まるまでは、当時の水準での考証・ディテール・ディフォルメの良さ、豊富な艦船モデルバリエーションではニチモがトップメーカーであった。当時、ニチモ金型設計部門に在籍した森恒英は、名作として名高い1/200-戦艦大和、1/300-航空母艦信濃を始め、 各スケール・シリーズ艦船モデル設計に携わり、「艦船のニチモ」のブランドイメージ作りに寄与する。
彼はニチモ退社後独立し、タミヤの「軍艦雑記帳」の解説や軍艦関連の本の出版に携わった。本書は現在でも艦船モデルのディテールアップの貴重な資料・バイブルとして愛読され続けている。また、ウォーターラインシリーズが模型市場での一定の需要を満たし、今日まで続く超ロングセラーとなっている事も、彼の功績によるところが大きい。
[編集] スケールモデル衰退期
スケールモデル人気が沈静化し、ガンプラ全盛の1982年、超時空要塞マクロスのピタバンシリーズで小スケールキャラクターモデルに参入する。その後80年代中頃まではモーターライズモデルカー新製品開発は続いていたが、スケールモデル「冬の時代」を迎え、金型開発コストに似合う販売数が見込めず新規開発はストップし、過去の模型の再生産・箱変え新製品を続ける事になる。
近年は、精密さがアップしたAFV・航空機モデルの人気が再燃してきているが、すでに新規開発部門を失っていたニチモは、静岡ホビーショーでも旧作「箱絵」展示がメインとなり、再生産も行われる商品が減少してきている。金属ギアボックス部品を使用するリモコン戦車などは、下請け製造メーカーの廃業で再販が難しくなっている。
[編集] 代表的な模型
- 1959年 - 自動浮沈式の特許出願・模型「伊号潜水鑑」が発売
- 1960年 - 戦艦「大和」(300円)発売大ヒット
- 1968年 - ミュージックシリーズ発売
- 1960年代-1970年代 - 30センチ艦船シリーズ、リモコン戦車シリーズ発売
[編集] 現在の主力商品
2006年度の主力「再販」製品は
- 「30センチシリーズ」日本艦船シリーズ(13点)
武蔵、長門、伊勢、金剛、翔鶴、霧島、大和、信濃、陸奥、日向、榛名、瑞鶴、比叡
-
- モーター搭載可能なニチモの30年以上に渡る「定番商品」ロングセラーモデル。近年、商品の一番のセールスポイントとなる「ボックスアート」がシリーズモデル一覧表示となり、以前の単独ボックスアートに復活を望む声も高い。
- 「1/48エアモデル」赤とんぼ、九七艦攻、ヘルダイバー
- 「1/500艦船シリーズ」瑞鶴、翔鶴、飛龍
- 「南極観測船」しらせ
- 「1/200艦船シリーズ」戦艦大和:ディスプレイ・スタンダード・ラジオコントロール3種類
他には他社の下請けで、プラモデルの射出成型機が転用出来るポリバケツ、洗面器等などのポリエチレン製品を製造している。
[編集] 外部リンク
- ニチモ公式HP
- 日本プラモデル工業協同組合・プラモデル業界の歴史