日産ディーゼル・JP
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日産ディーゼル・JP(にっさんディーゼル・JP)は、日産ディーゼル工業が製造・販売する普通型路線用バスである。
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[編集] シリーズの概要
1992年、在来中型車JM系のシャーシ(車台)及びボディを延長し、日本初の中型断面10.5m級ボディを持つ路線型低床バスとして誕生した。当初はベースモデルの関係からボディメーカーは西日本車体工業(西工)のみとされ、床構造はワンステップタイプであった。
1994年に型式認定・量産化された後、1999年には空気バネ(エアサス)仕様ワンステップ車とノンステップ車(エアサスのみ、改造扱い)が追加設定され、都市路線向け低床バスの新たな標準モデルとしての地位を確立した。その設計思想は国内他社の車両開発にも大きな影響を与え、後に日野HR系・三菱ふそうMK系からも10.5mボディのノンステップ車を生み出させるまでに至っている。
2004年のモデルチェンジでリーフサス車の生産は打ち切られ、エアサス車のPK-JP360NAN型1型式(ノンステップ/ワンステップ)のみになった。その翌年には路線仕様車のブランド統一に伴い、スペースランナーJPの愛称が与えられている。
[編集] シリーズの変遷
[編集] 北九州市内の電車代替バス
1992年10月25日に西日本鉄道(西鉄)が北九州線の大部分を廃止した際、その代替バス向けとして低床車が大量導入された。日産ディーゼル、西鉄、西工の3社が共同開発したもので、在来中型車の車体延長改造という形で生まれたモデルである。
中型車が改造ベースに選ばれたのは、床面がもともと大型車に比べて低いというその構造特性に由来するが、中型シャーシの延長改造はメーカーとしても初めての経験であり、電車代替バスの車輌設計が明示された時点では、西鉄側の要望に難色を示す技術者も少なくなかったという。
[編集] U-JM210GTN改
9m級・西工ボディの中型車U-JM210GTN型がベース。同型のシャーシを前後2つに切り離し、中間に延長部を挟み込んで再接合することにより全長を10.5m(ホイールベースは5.58m)に拡大したもので、これに専用の中型長尺車体を組み合わせて造られた。乗客用の非常口が右側中央部にあるのが外観上の特徴といえる。
足回りは、同時期に開発された車軸下抱き式のリーフサスである。これにより床面高さは路面上58cmに縮小され、ワンステップ化が実現されている。
エンジンは、RM/JM系用のFE6型にターボを付けたFE6T型(205PS)である。
[編集] U-JP211NTN
JM改造型は都市路線向け超低床車として量産されることになり、1994年に専用シャーシを与えられて正式に型式認定を受けた。これを機にJPという新たなシリーズネームが付与されている。
床面高さは53cmで、この値が国内競合他社も含め、その後のワンステップ車の標準的な床高となる。また、乗客用非常口は一般的な位置である右側後部に移されている。
量産化に際し、富士重工業製8Eボディを架装した車輌も設定された。 この型の最初の納入事業者は意外にも、東北の秋田市交通局であった。(現在は秋田中央交通で運行中) 納入の際には積雪を懸念したが、市内(秋田市内は旧城下町の為道幅が狭く、この型のバスの運行路線が限られる)は除雪が行き届いていると言う理由で、導入に至った。
[編集] KC-JP250NTN
1995年発売。平成6年排出ガス規制に対応したモデルで、エンジンはインタークーラーを追加したFE6TA型(235PS)に変更された。
[編集] KL-JP252LSN/LAN/NSN/NAN
1999年発売。平成11年排出ガス規制対応モデルで、エンジンは改良により、最高出力が240PSに引き上げられている。
この代で車体長10.2m(L尺)モデルとエアサス仕様(末尾記号LAN/NAN)が追加された他、KL-JP252NAN型の改造扱いで床面高さ33cmのノンステップ仕様が生産開始されている。
本系列では全て西工製車体で製造され、富士重工製での導入例は無いと思われる[要出典]。西日本車体製では殆どがB型車体だが一部に日デオリジナル車体の車両が存在する。
[編集] PK-JP360NAN
2004年発売の現行型。ノンステップ車が改造扱いから型式認定モデルへと切り替わり、ワンステップ車と型式統一された。
このモデルチェンジで、JP系のラインナップは車体長10.5mのエアサス車のみに整理され、リーフサス車や10.2m車はカタログから姿を消した。
エンジンは日野自動車から供給を受けたJ07E-TC型(165kW=225PS)になり、平成16年排出ガス規制に対し85%の粒子状物質(PM)低減レベルを達成している。
なお、それまで日産ディーゼルの路線バスは“ルートバス(ROUTE BUS)”と呼ばれ、それもバス事業者向けのカタログに記載されてはいるものの、一般的にはJP路線などと呼称されたが、2005年半ば以降は大型フルサイズ観光バス・スペースアロー&スペースウィングを除く普通型路線・自家用・一般観光車はすべてスペースランナーと名づけられた。したがって現在はスペースランナーJPとして全国で販売されている。
[編集] 今後の動向
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2006年7月13日、日産ディーゼルは三菱ふそうトラック・バスとバス完成車のOEM供給を行なうことで合意、2007年4月から段階的に実施される予定である。三菱ふそうも2002年11月13日からサイズやコンセプトはまったく同じエアロミディMKノンステップを発売したが、同社の中型バスのシェアは観光系・路線系とも決して大きくなく、撤退を示唆する発言も三菱ふそうバス製造の担当者からなされた。新長期排出ガス規制への対応に合わせ新形式のエンジンは三菱ふそう製の6M60(T1)が搭載され、かつ三菱ふそうにもOEM供給し、三菱ブランドで販売する予定であるが、三菱供給分が「JP」のままか「MK」になるかははっきりしていない。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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