普通教育
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普通教育(ふつうきょういく、英 general education)とは、どの分野にも依存しない普遍性を理念とする教育(一般教育)のうち、人間のための基礎的基本的な教育のことである。普通教育は、専門教育(せんもんきょういく、英 specialized education)などに対比される概念でもある。
なお、普通教育を英語に翻訳すると「general education」となり、これは一般教育の訳語と同一である。
普通教育という用語は、主に教育法令分野で用いられ、一般的に小学校などの初等教育や、中学校・高等学校・中等教育学校などの中等教育に関する概念として用いられている。
現代の日本国における義務教育(国民が子女に受けさせなければならない教育)は、普通教育とされている(日本国憲法第26条第2項、教育基本法第4条第1項)。このため、保護者(親権を行う者・未成年後見人)が「子女を学校に就学させる義務」(就学義務)を履行するために子女が在学することとなる課程(小学校、中学校、中等教育学校の前期課程、特別支援学校の小学部・中学部)では、現在のところ普通教育に関する教科のみが設けられている。
なお、後期中等教育(高等学校、中等教育学校の後期課程、特別支援学校の高等部)における「普通教育を主とする学科」は、「普通科」とされている(高等学校設置基準第5条・第6条第1項など)。また、「普通教育及び専門教育を選択履修を旨として総合的に施す学科」は、「総合学科」とされている(高等学校設置基準第5条・第6条第3項など)。
[編集] 普通教育の段階
初等教育、中等教育で行われる普通教育は次の通り区分されている。
- 初等普通教育: 小学校の段階
- 中等普通教育: 中学校、中等教育学校の前期課程の段階
- 高等普通教育: 高等学校、中等教育学校の後期課程の段階
中等普通教育は、戦後の学制改革以前にはない概念だったが、新制中学校の創設に伴い学校教育法によって規定された。