東京時代
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東京時代(とうきょうじだい)とは、日本の歴史における時代区分のうちで、江戸幕府が崩壊して明治維新が開始された1868年以後についての呼称として考え出された概念の一つ。
現在、日本においては明治維新以後の時代区分を明治時代・大正時代・昭和時代・平成時代と元号を冠して用いるのが一般的であるが、日本の歴史における時代区分において明治維新以前には鎌倉時代・江戸時代などといった政治の中心地から取られて呼称が用いられている(弥生時代や戦国時代のようにその中心地が確定できない時代を除く)が通例なのに明治以後は元号で分けるのはおかしいという意見がある。その意見に基づけば、明治維新以後は政治の中心が東京にあったのであるから、「東京時代」として一括されるべきではないかというのである。
しかし、東京時代と言っても大日本帝国憲法下と日本国憲法下では政治体制に大きな違いがある事や、100年以上前と現在を一括した呼称となるだけに違和感を抱かれる事が多いのか、一部の書籍で近現代(近代と現代)の日本を指す呼称として用いられるケースもあるものの、一般においては全く使われていない。
こうした時代区分法は、現在から過去の歴史を区分して用いられる方法である。だが、私たちの世界がこの先どのように変化していき、歴史的にどのように捉えられる事になるのかを私たちに予想する事は出来ない。従って将来的に現在の時代区分の枠組みが変化する可能性は否定出来ない。例えば武士による封建制度が崩壊して政治・経済・社会の仕組みが近代社会に向けて根幹的に変動することとなった明治維新から更に時間を経るにつれて、あるいは東京からの首都移転が行われた場合に、それ以前と以後を区別する必要性から、明治以後の歴史の一括表現としてこの言葉が用いられる可能性があると考えられている。