松島遊郭疑獄
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松島遊郭疑獄(まつしまゆうかくぎごく)とは、1926年に明るみに出た戦前日本の汚職事件。当時大阪市西区にあった大阪最大の遊郭、松島遊郭の移転計画を巡り、複数の不動産会社から、与野党政治家3名が、移転を巡る運動費(当時の金額でそれぞれ3~40万円)を受取ったとされたが、後の裁判では、全員無罪となった。また、現職総理大臣が予審尋問を受けるという、前代未聞の事態は第一次若槻礼次郎内閣総辞職の遠因にもなった。
[編集] 事件の経緯
- 1897年-
- 松島遊廓周辺が市街地化したため、築港側への移転構想が初めて持ち上がり、以後幾度となく検討される。
- 1926年-
- 年初より、遊郭移転先を巡り、複数の不動産会社が競合して与野党政治家に資金をばら撒いたとする内容の、怪文書が流布する。
- 2月28日 - 松島遊廓移転を巡り疑獄事件発覚。与党憲政会総務箕浦勝人・野党政友会前幹事長岩崎勲・野党政友本党党務委員長高見之通らに収賄容疑が持ち上がる。
- 7月6日 - 江木翼法相、閣議にて事件の予審尋問が閣僚にも及ぶ情勢と報告、若槻礼次郎首相らに了解を求める。
- 7月7日 - 大阪地裁検事局、床次竹次郎政友本党総裁を予審尋問。
- 11月7日 - 大阪地裁検事局、若槻首相・中川望大阪府知事らを予審尋問。
- 11月9日 - 箕浦、若槻首相を偽証罪で告発。
- 12月30日 - 大阪地裁検事局、予審終了。検事局は政府及び大阪府には遊郭移転計画はなかったと判断し、箕浦・岩崎・高見ら6人を詐欺容疑で起訴。
- 1927年
- 後の判決では箕浦、高見は無罪(岩崎は途中死亡)、有罪は2名のみ。
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