枝の主日
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枝の主日(えだのしゅじつ)は、キリスト教の移動祝日で、復活祭の一週間前の日曜日にあたる。聖週間の初日となる。枝の主日はカトリック教会での呼び名。日本ハリストス正教会でもこの名称を用いることがある。
復活祭に連動して日付が決まるため、東方教会と西方教会で日付が異なることが通例。西方教会では3月中旬から4月中旬、東方教会では3月下旬から5月上旬に祝われる。
教派によって呼び方が異なり、カトリック教会では受難の主日ともいう。日本聖公会では復活前主日、その他プロテスタント教会では棕櫚の主日あるいは受難主日などと呼ばれている。日本ハリストス正教会では主に聖枝祭または主のイェルサレム入城と呼ぶ。それぞれの詳細はリンク先を参照。
この祝日は、イエス・キリストがロバに跨り、エルサレムに入城したときを記念するもの。 ヨハネ福音書では、エルサレムに来たイエスを、群衆が棗椰子(なつめやし)の枝を手に持ち「ホサナ。主の名によって来られる方に、祝福があるように、イスラエルの王に。」(ヨハネ12:13、新共同訳)と叫んで迎えた(フランシスコ会訳では「ホザンナ。ほめ賛えられるように、主の名によって来られる方、イスラエルの王。」)。 そこでこの祝日では、棗椰子や棕櫚(しゅろ)などヤシ科の植物の枝が祝別される。キリスト教圏は棗椰子の栽培地を超えて拡大しているために地域によって使用される枝は異なり、日本のカトリック教会では蘇鉄(そてつ:ソテツ科)の枝を代用するのが慣例になっており。ロシア正教会など北方の寒い地域の教会では猫柳の枝が使用されるのが伝統になっている。
また、祝別される枝の使用方法は地域によって様々で、美しく編まれて使用されることもある。