桜の園 (チェーホフ)
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桜の園(さくらのその)とは、ロシアの作家アントン・チェーホフによる舞台作品。1903年に書かれ、1904年に初演。チェーホフ最後の劇作で、四大戯曲のひとつ。
目次 |
[編集] 主な登場人物
- ラネーフスカヤ 女地主
- アーニャ その娘
- ワーリャ その養女
- ガーエフ その兄
- ロパーヒン 商人
- トロフィーモフ 大学生
- ピーシチク 近郊の地主
- シャルロッタ アーニャの家庭教師
- エピホードフ 事務員
- ドゥニャーシャ 小間使い
- フィールス 老僕
- ヤーシャ ラネーフスカヤの召使い
[編集] あらすじ
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 第一幕
ラネーフスカヤが、娘アーニャの付き添いでパリから五年ぶりに自分の土地へ戻る。帰還を喜ぶ兄ガーエフ、養女ワーリャ達。
だが現在ではかつてのように裕福な暮らしはもはや望めず、金に困る一家。桜の園は借金返済のため売りに出されている。商人ロパーヒンは土地の一部を別荘用地として貸し出せば、難局は避けられると助言する。しかしラネーフスカヤは散財する癖が抜けず、破産の危機も真剣に受け止めようとしない。ガーエフは知人や親戚からの借金を試みる。
[編集] 第二幕
小間使いのドゥニャーシャは、事務員エピホードフにプロポーズされていたが、パリ帰りの召使いヤーシャにすっかり惚れてしまう。ロパーヒンは桜の園を別荘用地にする必要性を執拗に説いているが、依然としてラネーフスカヤは現実に直面しようとしない。ワーリャとロパーヒンは前々から互いのことを想っているが、どちらからも歩み寄れないままでいる。アーニャは新しい思想を持った大学生トロフィーモフに憧れ、自立して働くことを決意する。
[編集] 第三幕
舞踏会が開かれている。しかし出席者はかつてのように華やかな面々ではない。
ガーエフとロパーヒンは桜の園の競売に出かけており、ラネーフスカヤは不安に駆られている。彼女は別れたパリの恋人とよりを戻すことを考えており、金を巻き上げられるだけだと警告したトロフィーモフと口論になる。ドゥニャーシャに全く相手にされないエピホードフはワーリャを怒らせ、喧嘩になる。
そこへガーエフが泣きながら帰宅する。ロパーヒンが現れ、自分が桜の園を買ったと宣言する。貧しい農夫の身分から桜の園の地主にまで出世したことに感動するロパーヒン。アーニャは泣き崩れる母を、新しい人生を生きていこうと慰める。
[編集] 第四幕
ラネーフスカヤはパリへ戻り、ガーエフ達は町へ引っ越すことになった。そのための荷造りが進められている。ロパーヒンは別荘建設のため、留守中に桜の樹の伐採を命じている。ドゥニャーシャは、主人と共にパリに戻ることになったヤーシャに捨てられる。ロパーヒンはワーリャへのプロポーズを決意するが、土壇場でやめてしまう。
出発する一行。病院に行ったと思われていた老僕フィールスがひとり屋敷に取り残されていた。横たわったまま身動きひとつしなくなるフィールス。桜の園で斧を打ち込む音が聞こえる。
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